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2017年5月20日土曜日

彦根市 移住希望者を対象にしたツアー実施、歴史・子育て・自然などニーズに応じ

 彦根市は市内の人口増を目的に、移住希望者を対象にしたツアーを今年度中、実施している。
 出身地の大阪からひこね地域おこし協力隊員として昨年10月に移住してきた元滋大生の久保さゆりさん(25)=市企画課所属=が、彦根がどのような場所かをまずは把握してもらおうと企画。「自然豊かな所で子育てがしたい」「歴史を感じる城下町で暮らしたい」「彦根で自分の店を持ちたい」など、ニーズに応じて移住希望者とコースや日時を考え、久保さんと市職員が公用車に乗せて案内する。実際に各分野で活躍している市民との交流の機会を提供することもできる。
 久保さんは「移住を考えている人によって求めているものが違い、見たいポイントもさまざま。車を持っていないと見て回るのは難しく、単身では情報を収集するのも難しいと思い、企画しました」と話していた。日時は年末年始を除き、来年3月31日まで。参加無料だが、体験費や食事代は自己負担。20日前までに参加者(代表者)名、人数、住所、連絡先、希望日を記入しメール(ijusokushin@ma.city.hikone.shiga.jp)かファクス(22)1398で。問い合わせは市企画課の久保さん☎(30)6101。

2017年5月15日月曜日

彦根仏壇事業協同組合が甲冑作り開始へ、レンタルも受付

 彦根仏壇事業協同組合(宮川孝昭理事長)は、彦根のブランド作りの一つとして彦根商工会議所が中心になって進めてきた甲冑作りを、今年度から同組合で実施していくと発表。7日に古沢町の清凉寺で説明した。
 彦根商議所では、地域資源を生かして都市間競争を勝ち抜くまちづくりを目指し、同会議所会員や大学教員、歴史研究家ら31人で「ひこねブランド開発委員会」を平成26年9月に設立。そのうち、江戸時代に甲冑作りの地だった彦根仏壇街の職人の技を生かし、彦根藩二代・井伊直孝の甲冑を復元させるプロジェクトを平成27年度と同28年度に進め、試作品2体を完成させた。そのうち滋賀県板金工業組合のおうみの名工と彦根仏壇の職人が共同で作った高価な方の1体は彦根城の天秤櫓に展示されている。
 彦根仏壇事業協同組合では彦根商議所が進めてきたプロジェクトの経験を引き継ぎ、今後は同組合が主体となって甲冑を製造し販売していく。試作品と同じように、装飾や縫製の部分を仏壇七職のうち塗師、箔押師、錺(かざり)金具師、木地師の四職が担う。
 試作品にかかった経費は高価な方が約586万円だったが、もう1体が漆塗りの回数を減らしたり、革の部分を代替品にしたりして経費を抑制し、約150万円で実現。同組合でも約150万円で販売する予定。1体の製造期間は約4カ月かかる。今年度は5体を販売し、反響を見た上で増産していく。またレンタルも受け付けている。
 7日の説明の場には大久保貴市長や一八代の井伊直岳さん、宮川理事長、彦根商議所の中川哲副会頭らが出席。歴代藩主への読経などを行った。宮川理事長は「この甲冑作りで彦根仏壇の振興と技術の存続を図っていきたいと思います」と話していた。
 問い合わせは同組合☎(24)4022。

旧彦根藩士だった庵原家の末えいが「自分史 外濠」を発刊

 江戸時代に旧彦根藩士だった庵原(いはら)家の末えいの庵原一男さん(74)=本町2=がこのほど、庵原家についてまとめた「自分史 外濠」を発刊した。
 庵原さんによると、庵原家は駿河国庵原(現・静岡市清水区)出身。戦国時代は今川家に属していたが、永禄3年(1560)の桶狭間の戦いで今川義元が討たれて以降、庵原一族は全国各地に離散。江戸期の彦根藩には庵原さんの祖先の源八郎家の初代・源左衛門が二代の井伊直孝に仕え、普請奉行や勘定奉行などを務め、幕末には110石取りだった。同じ家柄の庵原助右衛門家は筆頭家老の木俣家に次ぐ上級の彦根藩士で6000石の時期もあったという。
 庵原さんの祖父の操は明治37年(1904)の日露戦争に従軍した後、同43年に彦根で履物商を始め、昭和9年に彦根城の旧外堀が埋め立てられると、現在地に移り「履物店つるや」の屋号で商売を開始。店は平成2年に廃業した。父親の捨雄さんが平成7年に死去した後、庵原さんは遺品の中に庵原家についての資料を見つけ、翌年から静岡の発祥の地や本家、寺などを訪れたり、庵原家について書かれた資料を読んだりして本にまとめた。
 本では、発祥の地や井伊家に仕えるまでの庵原家、江戸時代の源八郎家、幕末から現代までの庵原家をまとめているほか、「思いでのアルバム」もカラー写真で載せている。B6判、97ページ。
 庵原さんは「今後は上級の彦根藩士だった助右衛門家をはじめ、庵原家の全体についても研究を進めていきたい」と話している。希望者には1000円で販売。問い合わせは庵原さん☎(24)1673。 

2017年5月2日火曜日

彦根城の西の丸三重櫓の白壁が昨年末からはがれたままに

 重要文化財の彦根城の西の丸三重櫓の白壁が昨年末からはがれたままになっている。琵琶湖の方向からもはがれた状態が確認でき、早急な修理が必要な状況だ。
 はがれているのは三重櫓1階部分の琵琶湖側の北西部。市教委文化財課によると、強風によって小範囲ではがれているのを昨年12月9日に確認。その後、はがれた範囲が広がり、現在はその広さが約4平方㍍になっているという。
 滋賀大学やカインズの方向からもはがれた状態が目立っており、市民からは「せっかくの重要文化財なのにみすぼらしい」との声があがっている。
 すでに文化財課にも複数の市民から報告が入っており、同課の担当者は「文化庁などへの手続きを経て、観光客が落ち着く6月にも修理にかかりたい」としている。

来年度から新しい船になる学習船「湖の子」の今年度最初の出航式

 来年度から新しい船になる学習船「湖(うみ)の子」の今年度最初の出航式が25日に彦根港であり、彦根市立の3小学校の児童たちを乗せた湖の子が保護者の見守る中、出港していった。
 湖の子の学習は、滋賀県内の子どもたちに船上で宿泊しながら、琵琶湖の生物や環境などを実験や体験を通して学んでもらおうと実施。昭和57年秋から船の製造が始まり、翌年2月の起工式を経て、この年の8月2日に「びわ湖フローティングスクール」として開校した。これまでに県内の小学5年生を対象に52万人以上が参加している。
 今年度最初のスクールには城西小、城北小、亀山小の児童計141人と引率教員の14人が乗船。出航式で県立びわ湖フローティングスクール(大津市)の青木正士所長が「琵琶湖の水や生物のことを学んで、驚いたり、疑問に思うことを大切にしてほしい」とあいさつ。市教委の善住喜太郎教育長が「琵琶湖からの故郷の風景を目に焼き付けながら、琵琶湖の環境について真剣に考えて欲しい」と激励。児童を代表して城北小の大塚康太郎君(10)は「2日間、城西小、亀山小の皆さんと仲良くしたい。『湖の子』で楽しみながら学習できるようがんばりたい」と話していた。その後、保護者らがスカーフを振って見守る中、児童たちは1泊2日の旅に出航していった。
 現在の湖の子は35年が経過し、電気配線や配管などが老朽化しているため、新しい船が約30億5000万円をかけて広島の造船所で製造中。来年3月16日に竣工式が行われる予定で、5月から新しい湖の子が船出する。なお現在の湖の子は来年3月1日までの全96回のスクールを終えると、「引退」となる。

次期市政の懸念材料

 彦根市長選が終わり、連休明けから次期市政がいよいよ始まるが、この4年間の先行きに対して極めて憂慮しているのは小生だけではないだろう。
 まず1点目は財政面だが、大久保市長は選挙時や当選後の会見で「財政は改善している」「財政は極めて健全で、市民には説明が不足している」と強調していた。だが、経常収支比率(地方税など毎年の収入に対して人件費など固定の支出が占める割合)は平成27年度決算時で91・9%と、前年度より悪化しており、県内13市で見ると、湖南、栗東に次ぐ3番目の悪さで、硬直化が進んでいる。
 また実質公債費比率(一般財源のうち借金の返済にあてる割合)は平成18年度決算時の23・3%から同27年度時の8%まで改善しているものの、全国の同規模の自治体と比較した順位は31団体中21位となっている。市の財政課も予定している大規模事業を進めれば、実質公債費比率が悪化するとしている。
 さらに財源不足を補える財政調整基金の残高は平成27年度末の約50億円から、同33年度末には約12億円になる見通しで、市長選の新人候補は今年度予算での同基金の取り崩し額が計画を8億円上回ったことなどから「(33年度末には)4億円しか残らない」とも主張していた。この状況下で、新しい市民体育センターの建設、市立図書館の設置、広域ごみ処理場の新設、インフラ整備、稲枝駅西口開発などの大規模事業が相次ぐことを考えると、市の財政面を危惧せざるを得ない。
 2点目は首長としての資質の面だが、1期目の4年間を通して、大久保市長は率先型・主導型ではなく、調整型・協調型であることがわかった。しかし、2期目の4年間は1期目のように○○協議会や○○委員会任せでは進むべき施策も停滞する恐れがある。率先・主導すべき施策には政治家らしい英断を発揮するべきだ。
 3点目としては市長選時に新人の候補者2人や陣営が「犬上郡の有力者」との繋がりを指摘していた点である。その有力者とは豊郷の大野和三郎県議のことだが、滋賀彦根新聞では市長選中の19日付けで大久保市長と大野県議との「蜜月ぶり」を紹介していた。小生は大野県議と何度か会っており、彦犬地区のインフラ整備などに尽力していることも存じている。だが、市民の間には大野県議が豊郷町長時代に旧豊郷小学校を解体するか否かでマスコミを賑わせたイメージが根強く残っているのも事実だ。
 以上、今後4年間の市政における大きく3点の懸念材料をあげたが、大久保市長には1期目とは異なる先導型の首長に転換し、彦根をより良き街にして頂きたいと強く願う今日この頃である。【山田貴之】

2017年4月27日木曜日

市長選の分析

 ※解説=今回の市長選の注目点は現職に対する批判票が信任票を上回った点と、田原氏への予想以上の支持である。
 大久保氏は前回の市長選では1万6903票を獲得し、当時の現職に7000票以上の差を付けての圧勝だった。今回も知名度で劣る新人2人が相手だったため、再び圧勝を予測する声があったが、結果は前回よりも票を減らした上、批判票は信任票より大きく上回った。
 この原因は市役所本庁舎の耐震化などを巡る市政の混乱、次期市政における大規模事業の先行きへの不安、有力な支援者との癒着に対する危惧、民進党色が強いことへの嫌悪感などがある。
 これら次期市政への懸念は次号のコラムで論じる予定だが、大久保氏は批判票を真摯に受け止め、大規模事業をはじめ、見直すべき事項は計画を改める必要がある。市長選で対抗馬の前川氏を支持した市議が約10人いることからも、市議会が計画通りに承認するとも思えない。
 そして、もう一つの注目点は田原氏の得票である。議員の支援を受けない同級生を中心にした選挙戦は苦戦が予想されたが、8000票を超えるという大健闘だった。この原因としては、▽降雨の中で街頭演説をするなど公示前からこまめに活動してきた▽対現職の政策をわかりやすく率直に論じていた―ことなどがあるが、マスコミや他陣営を驚かせた得票で、選挙は組織だけではないことを改めて認識させられた。       (山田)