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2009年2月27日金曜日

辻番所、紙本著色 関ヶ原合戦図など彦根市指定文化財に

 彦根市教委文化財課は25日、芹橋地区に残る辻番所や関ヶ原合戦図など4件を市指定文化財に指定したと発表。これにより市指定文化財は67件となった。新しい市指定文化財の概要は以下の通り。
 【旧彦根藩足軽組辻番所】
 旧芹橋12丁目の中央にある善利組の足軽組屋敷・旧磯島家住宅の前庭南側に設置された建造物。約7・3平方㍍のスペースに、2方向に分かれた見張り窓が備えられており、城下への侵入者のチェック機能を果たしていた。江戸時代後期の建物。
 江戸末期の古絵図などでは、善利組屋敷だけで20棟、ほか4組を含めた全体では36棟が確認されており、ほとんどが通りの辻に位置する屋敷に設けられている。各組ごとに近隣住民が交代で通い、「辻番」の業務に就いていたとされる。
 【旧彦根藩足軽組屋敷(善利組・旧磯島家住宅)】
 辻番所を備えた屋敷で、主屋は幅約8・2㍍、奥行き約11㍍の中2階形式。門をくぐると、左に前庭、その奥に辻番所があり、主屋には土間や玄関、座敷、納戸、台所がある。江戸時代後期の建物。
 辻番所と合わせて、すでに一部改修されており、新年度から本格的に解体・調査に入る。
 【旧彦根藩足軽組屋敷(善利組・林家住宅)】
 旧芹橋15丁目の芹川に近い位置に現存する。通りに面して格子戸と板戸からなる木戸門を構え、周囲が板塀で囲まれている。主屋は幅9・1㍍、奥行き4・5㍍の広さに、土間、玄関、座敷、台所などが設けられている。中2階の棟木には天明7年(1787)に地鎮祭が営まれた祈とう札がある。
 足軽組屋敷の市指定文化財は、太田家(平成16年指定)、中居家(同18年)を入れ4件目となる。
 【紙本著色 関ヶ原合戦図】
 慶長5年(1600)9月15日の関ヶ原合戦が描かれた図。縦159㌢×横364・6㌢での6曲1隻の屏風で、左下に「大館□雪」、「宗信」の印がおされている。大館宗信の詳細は不明だが、幕末期に狩野派の絵師が描いたとされる。
 向かって右側が東軍、左側が西軍で、上部には伊吹山系も見られる。右隅に家康本陣、左隅に石田本陣があり、家康側には井伊直政を中心とした井伊家の姿も。構図は東軍の勝利がほぼ決した時の様子だという。
 彦根藩の筆頭家老・木俣家に伝来し、その後、彦根城博物館に寄託された。同様の関ヶ原合戦図はほかに6点が確認されているが、木俣家伝来のものには、井伊家家臣十数人が加筆されており、木俣家が制作者に命じたと考えられている。

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