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2018年6月7日木曜日

彦根市中期財政計画 毎年約24億円から約35億円の財源不足、昨年市長選時と異なる内容

 彦根市は5月28日、来年度から5年間の市中期財政計画を更新し、毎年約24億円から約35億円の財源不足が見込まれると発表した。市長選前の昨年1月にも平成29年度から5年間の財政計画を公表し、大久保貴市長は市長選前後に「市の財政は改善した」と強調していたが、今回の発表との相違に対する説明責任が問われそうだ。
 市は昨年1月時と比べて、国の方針変更で地方交付税が今年度の約50億円から来年度以降38億5000万円で推移すると下方修正。また扶助費(社会保障関係費)と国体関連など投資的経費の伸びがさらに大きくなると改めたため、来年度以降の財政収支の見込額と大きなかい離が生じると判断した。
 市によると、来年度の財政収支見通しは歳入が429億4837万円、歳出が453億7730万円で、24億2892万円の赤字に転落。翌年度以降も29億円超から35億円超の財源不足となり、実質公債費比率(収入に対する負債返済の割合)も4年後以降から10%以上に悪化すると推算している。
 市は財源不足への対応として、来年度の予算編成から部局ごとで事業精査を行った後に予算要求をする枠配分方式へ見直すほか、市職員の時間外手当の前年度比10%削減や緊急性の低い投資的事業の精査などで歳出を抑える。ただ、投資的事業には市役所本庁舎の耐震化に関する「裏合意」分や汚染土壌の除去費などは含まれていない。
 大久保市長は会見で「最悪のシナリオを示したまでで、市民の皆さまに知っていただきたいという警鐘。そのようにならないように努力をする」と述べた。一方で、昨年の市長選時に市長は「市の財政は極めて健全で、市民には説明が不足している」と正反対の内容を話していたが、その考えを改めた理由ついて、市長は財政調整基金の残高見込み額や扶助費などの見込みが甘かったことを認めつつ「財政の状況は日々動いている」とあいまいな回答に終始した。また投資的事業のうち、新市民体育センター(約64億円)や、金亀公園再整備(約24億円)について、市長は「全体の進捗に合わせて整備を進めたい」と計画通り進める考えを示した。

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