2017年3月4日土曜日

初めての著書「井伊家の教え」を発刊した井伊裕子さんに本で伝えたかったことやこれまでの思い出など聞く

 昨年末に初めての著書「井伊家の教え」を発刊した井伊裕子(ひろこ)さん(48)=尾末町=に、本で伝えたかったことやこれまでの思い出などを聞いた。
 井伊さんは本を出版したことがなかったため、出版社から依頼を受けた際はためらいもあったという。しかし、NHK大河ドラマで「おんな城主・直虎」が放映されるのが決まったこともあり「跡継ぎの男子がいない境遇が同じで、現代の井伊家の女性が何かを書くのは面白い趣向だ」と考え、また「井伊直弼は明治以降、悪者にされてしまい、現代でも正当に評価されていないため、直弼のことを伝える良い機会でもある」との思いから出版を決意。昨年1月から約9カ月で書き下ろした。
 本は「井伊谷と直虎・直政」「直孝から始まる江戸時代」「直弼と明治以降の井伊家」「井伊家の長女として生まれて」の計4章で構成。井伊家の誕生から、苦難の時代、直政と直孝の武功、直弼の活躍、直憲から現代までの歴史を分かりやすく紹介しており、井伊さん自身がお浜御殿で過ごした様子なども載せている。
 直弼について井伊さんは「本では特に直弼の文化人としての素晴らしい面を伝えたいと思いました。ドラマなどでは直弼の表現の仕方が良くなりつつありますが、教科書ではまだまだ変わっていません」と複雑な表情を見せた。
 18歳から20年以上過ごしたというお浜御殿については「祖父は日曜大工をし、祖母は庭園を見ながらうれしそうに歌を作っていた光景が思い出されます」と当時を振り返りながら語っていた。
 井伊さんは「本で書かれている内容は、彦根市民の皆さんにとってはすでに知っていることも多いと思いますが、井伊家の歴史や文化財に興味を持って頂くきっかけになればと思います」と話していた。
 本は189ページ。1200円(税抜き)。朝日新聞出版。全国の書店で販売されている。
 【井伊裕子】
 井伊家第十七代・直豪(ひで)の長女として彦根で生まれ、高校まで愛知県名古屋市で過ごした。高校卒業後、祖父で元彦根市長の直愛さんや祖母の文子さんが暮らしていた旧彦根藩松原下屋敷(お浜御殿)に移り住んだ。京都女子大学大学院文学研究科修士課程修了後、彦根市の市史編さん室に勤め、結婚を機に退職。彦根城博物館協議会委員などを務めている。夫は十八代の井伊直岳さん。

0 件のコメント: