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2019年1月15日火曜日

彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会の会長・宮川富子さんインタビュー

 彦根城の世界遺産登録を目指し、市民の機運を高めようと昨年結成された「彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会」の会長・宮川富子さん(71)=永樂屋副社長=に抱負などを聞いた。   (聞き手・山田貴之)
 ―就任の経緯は
 ◇彦根城博物館で昨年、世界遺産になっている福岡県の沖ノ島の関係者を招いたシンポジウムを聞いた際、行政や学識関係者だけでの世界遺産登録が難しく、市民レベルで盛り上げなければいけないと認識しました。彦根の江戸時代の街並みを残すためには市民による現状の認知が必要で、行政との情報も密にしなければとも思いました
 ―就任を決意した理由は
 ◇私自身、子どものころからお城の近くで育ち、遊び場でもありました。多くの市民が共に過ごしてきた彦根城を世界遺産にするお手伝いができるのならばとの思いから、微力ながらも引き受けました
 ―多くの市民は世界遺産に無関心ですが、変化はありますか
 ◇熱い思いがあっても口にできない、という市民性があると思います。女が外に出る、しかも組織の会長になるというのは彦根では異端児と思われるかもしれませんが、後世に残すべき資産が多くあるという認識は男女に関係なく、多くの市民の共通点です。市外から市民になった人からは「彦根はほんまにいいところ」との声を聞きます。彦根出身者や長く住んでいる市民の皆さんが、もっと「我が町彦根」を大切にして街を残す、そして街をつくるという思いを強くしていただけたらうれしく思います
 ―彦根市は特別史跡内での登録を目指していますが、意見や提言は?
 ◇個人的には井伊家ゆかりの寺社も範囲に入れてほしい。特に清凉寺、龍潭寺、大洞弁財天長寿院、井伊神社は旧松原内湖にも接しており、「点」ではなく、一つの「面」を構成できると思います
 ―市が目指している登録範囲を把握している市民はほとんどいません
 ◇確かに官民の協力強化は今後の課題です。1000人委員会は情報を共有できるという点で良い組織です。彦根が一つになるために、市民と行政がもっと密な関係になって、より良い活動を進めるお手伝いができれば最善です
 ―2年目に入る今年の抱負は?
 ◇彦根の江戸時代の建物は旧城下町を含めて無くなってはならず、そのためには市民の皆さんが自分の街に誇りを持つ必要があります。誇りを持つ市民が増えれば、彦根に定住する人や帰郷してくる人も増えると思います。世界遺産はその(誇りを持つための)足がかりになると思います。多くの市民の皆さまに1000人委員会へ入ってほしいです。
 「彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会」のメンバーは、昨年12月17日時点で計1386人となっている。委員の参加条件は特になく、市内外から随時応募している。申し込みは氏名、住所、電話番号、メールアドレスを記載して、市教委彦根城世界遺産登録推進課ファクス(27)3554かメール(hikone-wh@ma.city.hikone.shiga.jp)。問い合わせは同課(26)5834。

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