2020年度の当初予算案の特徴を一言で表すなら、「議会迎合・自己保身予算」と言えるだろう。
2019年度の当初予算案では大幅に事業を削減したことがあだとなり、市議会で予算案が否決されたが、そのような市制初の惨事、いな珍事を「二度と繰り返したくない」との市長の思いが透けて見える。そして、もし大幅に削減した新年度予算案を提案し、再び市議会で否決された場合、市長不信任案の再提出が濃厚のため、それを避けたいとの思惑もあったのだろう。さらに踏み込めば、来年春に市長選を控え、庁舎耐震や新市民体育センターなど大型事業を「実績」として積み上げたいとの狙いもあったに違いない。
ただ、そのような市長の自己保身のツケは市民に回り、将来の子どもたちが負うことも忘れてはならない。市債残高は1000億円を超える見込みで、広域ごみ処理場など大型事業が残るため、更に次年度以降もその残高が増えるのは必至であり、実質公債費比率も悪化している。
市長は給与削減案を2月議会に提案するが、市の財政状況の健全性にとってはすずめの涙程度である。
「議会迎合」予算を受け、市議会は迎合をただ単に追認するのか、更なる行財政改革を求めるのか、2月議会を注目したい。【山田貴之】
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