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2020年2月6日木曜日

滋賀大学の筒井正夫教授の退官記念講義 麗澤大学客員教授の西岡力氏もゲスト講演

 滋賀大学の筒井正夫教授(64)の退官記念講義が1月25日、彦根キャンパスで開かれ、学生や市民ら200人以上が受講。麗澤大学客員教授の西岡力氏もゲストとして招かれ、講演した。
 筒井教授は昭和61年(1986年)4月から34年間、滋賀大で教べんをとっており、今年3月末で定年退職する。近代日本社会経済史、思想史、都市計画などが専門。退官記念講義では「後世に伝えたい3つのこと」をテーマに、これまで研究してきた内容を中心に取り上げた。
 筒井教授は研究してきた富士紡績(現・富士紡ホールディングス)の事例について、「田舎から子女を預かった工場主が礼儀作法や自立心、さまざまな教養、働くことの意義などを教えた」と説明。一方で、工女を奴隷のように扱っていたとする一部の指摘に対しては「共産主義者によって描かれた戦前の紡績業の姿だ」と非難した。
 能登川の近江商人・阿部家については二代・市太郎の遺訓のうち「事を成さんには(中略)勇気を要す(中略)冨を善用せよ」をあげ「『三方よし』だけでは弱肉強食の国際的な競争を勝ち抜けない。勇気を出して開発し、何かを成し遂げる人になってほしい。国家のため、国益を考えることを重要」と熱く語った。

文化伝統、天皇制も熱弁
「日本人の誇りを取り戻せ」
 日本文化については、1970年代の米国の食習慣と病気の関連性をまとめた「マクガバン報告」を取り上げながら「雑穀や玄米、みそ汁、漬物、日本酒、茶など江戸時代中期までの日本の伝統食が世界で最も健康的とされる」と解説。和歌や俳句、茶道の文化のすばらしさも称賛した。
 天皇制については、「天皇は日本文化を守る中で象徴的な存在、聖なる存在だ」と述べる一方で「天皇を否定するのが共産主義者だ」と指摘。「戦後に共産主義者や戦勝国が植え付けた自虐史観ではなく、日本人が日本人としての誇りを取り戻すことを世界は求めている」とアドバイスした。

「東アジアは冷戦状態続く」
西岡氏が講演「韓国滅ぶ危機も」
 西岡氏は「激動の東アジア情勢と日本」をテーマに講演。1989年から91年にかけての東西冷戦の終結とソ連崩壊をあげながら「ソ連の崩壊で共産主義が負け、自由主義が勝ったが、中国は共産党の一党独裁政権であり、東アジアの冷戦は終わっていない」と解説。香港や台湾での民主化運動、中国国内のウイグルやチベットなどでの迫害を取り上げ「自由を求める戦いが繰り広げられている」と述べた。
 韓国については、「ムン・ジェイン政権は日米韓の同盟から抜け出そうとしている」と説明したうえで「韓国の行く末が変わってきており、激しい内部分裂が起こりうる状態」と分析。「北朝鮮と一緒になろうとする左派が支配する政権では韓国が滅んでしまう」との持論を展開した。

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