2014年11月6日木曜日

湖東で唯一の銭湯・山の湯 レトロさ魅力「若い世代にも」

 彦根市など湖東地域で滋賀県公衆浴場業生活衛生同業組合に加盟している唯一の銭湯「山の湯」(中央町)。明治12年(1879)創業の伝統ある山の湯は常連客の憩いの場にもなっている
 山の湯は、彦根のキリスト教会の草分けの一人だった三谷岩吉が、それまで経営していた遊郭を廃業し、その時に失業した高齢者らに職を与えるために銭湯を始めたのが最初とされる。
 現オーナーは奥田良(よし)さん(77)。4年前に亡くなった夫・庄喜さん(享年77)が昭和63年(1988)ごろに前任者より引き継ぎ、四代目として隣接する家主から借りる形で良さんと二人三脚で経営。現在は息子(49)と一緒に営業している。
 良さんによると、市内には多い時で20軒ほどあった町中の銭湯も年々減っていき、市史によると、平成13年の調査時では市内で5軒となった。現在は山の湯のみになっている。
 山の湯は、のれんをくぐると、左が女風呂、右が男風呂になっており、入り口を入ると中央に番台があり、良さんが長年座っている。脱衣場から浴場に入ると、少し熱い湯、常温、かけ湯用、薬湯の浴槽があり、特に薬湯は彦根城の元御殿医に教えられた成分の配合だという。浴場の様子は彦根出身の画家・上田道三の絵「明治の風呂屋」にも描かれており、現在も明治期と変わりない。また店舗敷地内の裏手には外堀の土塁跡が残っている。
 常連客は80人ほどで、その9割が高齢者。良さんは「今のお客さんを大事にしながら、一人でも多くのお客さんが来てくれたらうれしい」と語り、息子は「年々、燃料代が上がる一方で、お客さんの数は減っているが、このレトロさを生かして、幅広い年齢層の方に利用してもらえるようにしたい」と話していた。
 営業は午後3時半~午後9時15分。木・日曜休み。入浴料は12歳以上430円、6歳~11歳150円、5歳以下100円。問い合わせは山の湯☎(22)6020。(山田貴之)

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