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2014年1月28日火曜日

尾木直樹さんと乙武洋匡さんが講演、ひこね市民大学講座で

 教育評論家の尾木直樹さんと作家の乙武洋匡さんを招いたひこね市民大学講座「今、日本の子どもたちに何が起きているのか」が、19日に文化プラザで開かれた。
 子どもたちを取り巻く環境について、尾木さんはスマートフォンやラインで友だち関係を築いていると指摘した上で「私たちの時代はリアルな中で生きてきたが、今の子どもたちは教師や保護者が見えない別世界(ネット内)にいる」「友だちに依存せざるを得ないため、必ずそこでトラブルが起こる」と述べた。
 乙武さんは「昔の先生は子どもと向き合っていたが、今は訴訟が増えており、そのアリバイ作りのため書類と向き合っている」と嘆いた上で「学校と家庭の信頼関係を取り戻すことが必要だ」と解説。尾木さんも「教師は防衛にまわり、信頼関係が壊れている。この悪循環の犠牲者は子どもたちだ」と付け加えた。
 教育の仕方として、尾木さんは「子どもが失敗しても、その過程の中で素晴らしさを見つけ、声を出してほめることが大事」「認められることはうれしいもので、自己肯定感を養うことができる」と説明。また子どもをしつける際には「叱らずに『どうしたの?』と声をかけ、あいづちを打ちながら、エンパワーメント(自律性を促す)仕方が良い親子関係をつくれる」とアドバイスした。
 乙武さんは教師時代に授業で親から子どもに手紙を読んでもらった際、多くの子どもがうれし泣きをしていたエピソードを明かし「親は誰もが子を愛しているが、それが伝わっていない。大人は子どもにストレートに伝えていかなければならない」と話した。
 日本の教育の問題について、尾木さんはOECD(経済協力開発機構)25カ国の15歳に「孤独を感じるか」と質問した調査で、日本が29・8%と最悪で、2位のアイスランドが10・3%、最高のオランダが2・9%だったとの数値を示しながら「4歳から小学校が始まるオランダでは子どもたちに自由に時間割を決めさせている。人は100人いれば、100通りある」と、日本の画一的な教育体制を批判した。

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