2014年1月20日月曜日

(元日号)これからの彦根の観光 彦根商工会議所・小出英樹会頭×彦根観光協会・一圓泰成会長

 全国の自治体が観光客の誘致に向け、さまざまな戦略を打ち出している中、彦根を中心にした湖東地域がその都市間競争をいかにして勝ち抜けるか。滋賀彦根新聞は地域産業を含めた「これからの彦根の観光と産業」をテーマに、彦根商工会議所の小出英樹会頭と彦根観光協会の一圓泰成会長との対談を行った。コーディネーターは本紙編集長の山田貴之が務めた。
彦根城内をテーマパークに
観光都市へ長浜との連携重要
 ―まずは今の彦根の観光についてご意見を
 一圓 子どものころから彦根城の前で育ったため、多くの観光客に来ていただいていたことに、子どもながらにうれしく感じていました。世界古城博覧会(1987年)以降、観光はバス観光主体で、一時低迷しました。これは全国的にバス依存から個人へとシフトする期間であり、彦根城を取り巻く観光も同様の感がありましたが、彦根城だけではなく、夢京橋キャッスルロード、四番町スクエアと、観光客が求めるポイントは十分に魅力的に進化して来ました。しかし、はたして私たちは「美しい彦根」を演出できているだろうか、という疑問点もあります。例えば、東京からの帰りの新幹線ではディズニーランドから帰る人たちの「また連れて行ってね!」「また行きたい!」という言葉が連呼されている雰囲気を感じます。一方で、彦根から帰る電車や自動車の中で同じような雰囲気になっているかなと疑問を持ちます。道路渋滞や駐車場が少ないなどの不満があるだろうし、人が行っているサービスへの物足りなさもあるように感じます。そう考えると、ちょっと彦根城にあぐらをかいていてはいけないな、というのが私の気持ちです。ただ、ここ1、2年、城内や市内で映画のロケが頻繁に行われるようになり、市にもフィルムコミッション室ができました。また市民有志がNPO団体を設立して屋形船や人力車を活用していることは、いわゆるアトラクションの一つであり、今後は彦根城が江戸時代にタイムスリップしたようなテーマパークに近い形に向かっていくのが一番、必要な事だと思います
 小出 基本的には一圓さんのお考えと同じです。短期的と中長期的に分けて考えないと彦根を成長させることはできません。その中で観光は短期的な部分が必要とされており、足らない物を作るとか、伸びているものを更に伸ばしていくなど、それを実現できる体制を行政と観光協会と一緒に作りたいと思います。現在はイベント開催のたびに実行委員会はできますが、イベント終了後はおしまいになっています。先ほど一圓さんがおっしゃったテーマパーク化を実現させるには、絶え間ない継続と努力が必要です。長浜を見ると、その仕組みがしっかりできていて、長期的な視点も立てています
 ―長浜の観光への取り組みと彦根とを比べると、どのような違いがあるのでしょう
 一圓 長浜は民衆の結束力が強いので、その上での観光、まちづくりが成功していると思います。一方で彦根は城依存が強く、長浜に見習うべきことがたくさんあるはずです。また、長浜と一緒になって観光を育てていかないと、お客さまから見ると、不自然な姿に映ってしまいます。行政区が分かれているため、互いの予算でそれぞれ別の事業をやっていますが、観光客にとってはどちらに宿泊しても良いわけで、絶対に一緒に進めていくべきです
 ―長浜は町衆文化、彦根は殿様文化であり、彦根の場合は少しずつ良い方向に進んでいるものの、根強く殿様文化の悪い面が残っているようですが
 小出 長浜とは競争相手ではなく、組むべき相手の一つとして捉えることに大賛成です。会議所としては、国や県への要望などにおいて長浜と一緒にやっていくべきだと考えています。観光においては互いに優れた面、足らない面があって、競合しないように思います。戦国、安土桃山から江戸にかけての豊富な歴史遺産が残っていて、それを網羅すると、観光客にも楽しんでいただけます
 ―彦根や長浜などの行政、各種団体によるびわ湖・近江路観光圏協議会という組織がすでにありますが
 小出 それはそれで進めて頂いても良いと思いますが、私は観光に対しては、数字を残すことにしか関心がありません。こちらがプランを立てて、県や国に動いてもらうというのが本来のビジネスのあり方だと思います
 ―ただ、彦根の場合は出る杭を打つ体質がまだあるようですが
 小出 基本的には話し合いが一番、大切です。後は数字を持ってきて、論理的に納得していただくことです
 ―観光協会としては独立した機関ですが、上には行政があります
 一圓 予算の問題もありますが、現実ばかりを見ていると、そこから脱出出来ないと思います。もちろん彦根市と二人三脚ですので、市との関係を保ったままで、夢を描き続けたいと思います
(続きは本紙元日号で)

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