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2019年2月27日水曜日

彦根愛知犬上広域行政組合議会が新しい広域ごみ処理施設の建設候補地・愛荘町竹原地区を白紙にする決議案を全会一致で可決

 彦根愛知犬上広域行政組合議会の2月定例会が22日、豊郷町内であり、新しい広域ごみ処理施設(※)の建設候補地になっている愛荘町竹原地区を白紙にする決議案を全会一致で可決。建設候補地が再び白紙化される可能性が出てきた。
 定例会では2019年度の同組合一般会計予算が提案されたが、安澤勝議員が修正動議を行い、竹原地区での環境影響評価業務を省いた修正案を提出し、出席議員17人(議長除く、欠席1人)のうち15人が賛成し可決した。
 一般質問では安澤議員が「混乱させた責任を管理者(大久保市長)はいかにとるのか」と質問し、市長は「一刻も早く軌道に乗せることが私の責任。議員の間にもそれぞれの立場があり、色んな意見もある」と答えた。
 また建設費と1市4町の負担割合について、事務局は「200億円」としたうえで、負担割合については彦根62・19%、愛荘14・64%、豊郷7・80%、甲良7・60%、多賀7・77%と説明。「国からの交付金や民間手法の検討で建設費は抑えられる」と述べ、完成時期については「建設地が決まらないため、平成39年度(2027年度)の稼働から1年延びる予定」と答えた。
 最後には安藤博議員が竹原地区の「白紙撤回を求める決議案」を提出。管理者会議で市長が竹原地区に決めた経緯の不透明さや暗礁に乗り上げている状況から「当初の公募があった5候補から再検討し、選考できない場合は新たな公募も視野に管理者会議で責任ある結論を早期に決定する」ことなどを求めた。採決ではこれまで竹原地区を支持してきた愛荘、豊郷、多賀の議員を含む17人全員が賛成し、全会一致で可決された。
 閉会後、記者陣に市長は「管理者会で話し合いたい」と述べるに止め、現時点で白紙を表明しなかった。
 【広域ごみ処理施設】
 1977年(昭和52年)に建設された野瀬町の彦根市清掃センターの老朽化に伴い、彦根愛知犬上広域行政組合は新しいごみ処理場の建設を計画。2008年度の基本構想時の概算経費は約102億円だった。建設候補地を巡っては、これまでに石寺町、海瀬・三津町が建設候補地にあがったが、地盤の軟弱さや地元の反対で石寺が08年5月に、海瀬・三津が13年3月に計画が白紙化された。
 15年10月からは彦愛犬1市4町内で建設候補地を募集し、翌年7月までに彦根市内3地域、愛荘町内2地域から応募があり、同組合内の選定委員会が100点満点で順位を付け、1市4町の首長らによる管理者会に報告。17年6月30日に管理者会代表の大久保市長が竹原地区に決め発表した。
 しかし、彦根市が推していた原町案を市長が急きょ変更し、竹原地区にしていたことがわかり、当時の副市長が辞表を提出するまで至った。同組合議会でも彦根市議が中心になり、関連予算を認めず、竹原地区の周辺地域の反対も続いている。

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