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2019年2月28日木曜日

袋小路の大久保市政

 小生は、これまで「現市政はレームダック(死に体)状態にある」と指摘してきたが、先般の広域ごみ処理施設の建設候補地が白紙濃厚となったことを受け、現市政は更に袋小路に追い詰められており、レームダックまたは袋小路から抜け出す気配さえも見当たらない。
 今回の広域ごみ処理施設の建設候補地を巡り、組合議会が全会一致で可決した白紙を求める決議案が持つ意味は極めて重い。昨年までの組合議会は、愛荘町竹原地区の建設候補地を反対する彦根市議と甲良町議、賛成する愛荘、多賀、豊郷の各町議で意見が分かれていた。しかし先週の組合議会では愛荘町議を含む全員が白紙を求めた。これはつまり、今後の関連予算をすべて認めないとする意思表明でもある。
 そして何よりも、竹原地区を独断で決めた大久保市長の責任は極めて重大だ。庁舎耐震の裏合意を巡る問題について、市長は直接的な関与を否定しているため、かろうじて首の皮一枚で市長の座を維持し続けているが、広域ごみ処理施設の問題については直接的に関与しており、責任は逃れられない。
 先週の組合議会でも安澤勝議員からその責任を問われた市長は「建設に向けて進めていくことが私の責任」「議員の間にも色んな意見がある」と、あいかわらず的を射ない発言をしていた。
 議会後の小生の質問に、市長は「管理者会で対応を考える」と答えたが、早期に白紙を表明したうえで、裏合意問題をはじめとした市政停滞の責任を含め、潔く辞するのが政治家としての筋であり、市民のためでもある。
 市政停滞と並行する形で、巷(ちまた)ではすでに次期市長選に向けた動きが出始めている。今後、市議会において大久保降ろしに向けてどのような動きが出てくるかはまだ流動的だが、やはりキープレイヤーとなるのは最大会派で自民系の公政会である。
 公政会の議員からは「自民系の後釜探しが難しい」との声があるが、市政をこのまま停滞または衰退させるのか、独自の市長候補を何とか探し出すのか、市民のためにどちらを選択するべきかは論を俟たない。
 いずれにしても、キープレイヤーは公政会に所属の議員である。4月の市議選に向けて、25日に開会した2月議会で公政会を含めた現職議員たちがどのような対応をするのか、市民は注目している。【山田貴之】

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