宗教の原理主義と聞けば、イスラム原理主義(者)を思い浮かべる方が多いだろう。しかし、18日に開かれた滋賀大学公開講座で、同志社大学一神教研究センター特別研究員の藤本龍児氏は「イスラム教に原理主義という言葉はなく、欧米諸国やメディアが作ったものだ」と指摘し、米国のキリスト教における「原理主義」と歴史を解説した。
藤本氏は、アル・カーイダやターリバーン、ハマースなど「国家樹立のためには暴力(テロ)を辞さない」組織と、暴力を外した上で男はひげを生やし、女はスカーフを巻くなどという本来の「イスラーム主義」とが混合されており、「誤解が生まれている」と説明。専門機関ではイスラム過激派やイスラム原理主義(者)という言葉は使わないと解説した。
米国のキリスト教の原理主義については、1910年代に神学の中で原理主義が登場し、20年代後半に一時衰退するも、聖書を重視する保守的な「福音派」が70年代に、政治化した福音派といわれる「宗教右派」が80年代に登場した歴史を紹介。「現在は米国内で宗教右派の原理主義者が15~18%、福音派が30~40%を占め、大統領選でも大きな影響力を発揮するようになっている」と分析。 まとめとして、冷戦時代の「悪の帝国」(ソ連)や9・11後の「悪の枢軸」(イラク、イラン、北朝鮮)が「キリスト陣営の中心という十字軍の思想、アメリカ至上主義の中で生まれた」とした上で、「現代の米国を動かしている勢力(キリスト教原理主義)は、世界の勢力ともいえる」とし、「正しい」原理主義への理解を求めた。
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