直弼、西洋流を積極採用
彦根藩の砲術、直政時代は稲富流
鉄砲サミット1日目は彦根城博物館能舞台で、京都女子大教授の母利美和(もり・よしかず)さんが「彦根藩の砲術」をテーマに講演。初代藩主・井伊直政が彦根に入った際、砲術の師だった稲富祐直((いなどめすけなお)後の一夢(いちむ))を招いたことから「以降、彦根藩では稲富流砲術が広まった」と解説した。
彦根藩の足軽のうち、当時の善利(せり)橋十二丁目の鉄砲足軽40人組は、天正年間(1573~92)から井伊家に仕えていた足軽・後藤治郎右衛門家伝来の「田布施(たふせ)流」を採用したと紹介。「足軽組ごとにそれぞれの流儀を伝承させてきた」と述べた。
幕末の砲術については、青銅製から西洋流の鉄製に変化し、十三代・直弼は家来に西洋砲術・高島流を学ばせ、安政期には西洋流銃隊を形成させた歴史を説明した。
全国23鉄砲隊が演武 鉄砲サミット2日目は彦根城内の大手前公園で、彦根鉄砲隊など全国23団体が古式砲術の演武を披露。甲ちゅうを身に着けた各隊が鉄砲を放つたびに、観客からは歓声が沸き起こっていた。
当日は、歓迎セレモニーとして彦根市立城西小児童による大江戸吹雪の舞と、舞宇夢赤鬼のよさこいソーランが演舞された後、各隊が登場し、150年祭実行委の北村昌造会長が勝どきをあげた。
開会式や演武の合間には、ひこにゃん、サミットのイメージキャラクター「ひこどん」、いしだみつにゃんなどのゆるキャラも登場し、会場を沸かせていた。直弼自作の狂言をオペラ風に
22日には井伊直弼自作の狂言を約250人が演じる狂言オペラ、「たぬきのはらづつみ」が文化プラザで開かれ、約1100人(実行委発表)の観客を魅了した。「狸腹鼓(たぬきのはらづつみ)」は、井伊直弼がお抱えの狂言師・茂山千五郎正乕(まさとら)の指導で作った狂言で、千五郎家しか演じる事が認められていない。今回は150年祭のフィナーレを記念し特別に許可され、千五郎家監修のもと、狂言師のほか、市民200人以上、プロの作曲家、演出家、指揮者、オペラ歌手など総勢約250人が参加。
たぬきの格好をした子どもたちが登場すると、会場からは笑い声も起こっていた。
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