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2010年3月31日水曜日

湖東地域の医療再生へ 湖北含め25億円交付、ハイリスク分べん再開など目指す

 滋賀県の医療再生計画に、国からの50億円の交付が決定。湖東・湖北圏域には半分の25億円が交付される予定で、県は平成25年度までに圏域内の市町や医療機関などと連携しながら、医師不足で分べんが制限されている彦根市立病院の産科への医師派遣など、圏域内が抱える医療問題を解消させる。
 地方病院が抱える医療問題を改善させるため、厚労省は昨年6月、各都道府県に医療再生計画の策定を要請。滋賀県は東近江と、湖東・湖北の各圏域に25億円ずつの交付を受けるための計画を作成し申請。厚労省は昨年12月18日に総額約2349億円の地域医療再生臨時特例交付金を内示していた。
 湖東・湖北圏域のうち、彦愛犬の湖東地域では▽豊郷病院にリハビリ病棟30床を整備▽市内に休日急病診療所や訪問看護ステーションなどを連携させるための施設「地域医療支援センター」を設置▽病院、診療所、訪問看護ステーション、薬局間の情報共有のための地域医療連携ネットワークを構築―することなど。
 交付金50億円の中には県の取り組み分・約14億7000万円も盛り込まれており、そのうち約7億円が医師確保対策。県は滋賀医科大学に協力を要請しながら産科医を育成し、彦根市立病院でのハイリスク分べんの再開を目指す。
 県は今後、市町や医療機関、医師会などと「推進協議会」を設立し、来年度から平成25年度まで順次協議を行い、再生計画を実現させる。なお彦愛犬の医療計画は、定住自立圏構想に盛り込まれている。

小2~大人のバレリーナ126人が登場、2日発表会控え英国人講師招いて練習開始

 滋賀県内外の小学生から大人までのバレリーナ126人が、4月2日のひこね市文化プラザグランドホールでの発表会に合わせて、練習に励んでいる。
 バレエ教室の講師ら7人で組織の「ひこねダンスインテンシヴ実行委員会」が、バレエ文化を広げようと県内外の教室に呼びかけ、小学2~4年生、小学5・6年生、中学生、高校生、18歳以上、ティーチャー、成人の7クラスに計126人が応募した。
 英国から、バレエやコンテンポラリーダンスの講師を招き、クラスごとに28日から文化プラザで練習をしている。
 発表会は2日午後4時半~。クラス全員による舞踊と、練習最終日にクラスごとに行われるオーディションに合格したソロが披露される。入場無料。会場ではバレリーナ衣装の飾り品の販売もしており、収益金の一部は基金に寄付される。

彦根市指定文化財新たに4件 足軽屋敷・服部家住宅、鹿島家住宅、オニバスなど

 彦根市教委は、旧彦根藩足軽組屋敷の服部住宅など4件を市指定文化財に指定したと発表。指定文化財の主な概要は次の通り。
 【建造物】
 ▽善利組足軽組屋敷・服部家住宅(芹橋二)=旧芹橋12丁目のほぼ中央に江戸時代後期(19世紀)、幅約7・3㍍・奥行き約10㍍の敷地に中二階形式で建設。土間、玄関、座敷、居間の4部屋で構成。芹橋地区の足軽屋敷の市指定は5件目。
 ▽鹿島家住宅(肥田町)=旧肥田城下の農家に江戸時代後期、幅17・8㍍・奥行き25・9㍍の敷地に建設。座敷や土間、台所などがある母屋や外便所のほか、昭和41年9月に改修された桶風呂が残っている。
 【考古資料】
 ▽子持勾玉(こもちまがたま)=祭祀用具の一種。彦根市西今町の福満遺跡から出土し古墳時代後期(6世紀前半)に埋葬されたとみられる。
 【天然記念物】
 ▽オニバス=彦根城内2カ所で生育するうち桜場駐車場裏手の中堀約3000平方㍍で自生しているもの。彦根城築城時に敵の侵入を防ぐために植えられたとされ、当時は旧松原内湖にも生育。県内では彦根城内だけだとされるが、近年はハスの侵食や種子を食べる外来魚の影響で減少。オニバスの保護活動をしている市民団体「彦根城オニバスプロジェクト」が保護している金亀公園管理事務所裏手約500平方㍍は、活動に影響を及ぼすため指定外にした。

2010年3月30日火曜日

参院選と滋賀県知事選 同日選挙へ、参院・自民は武村展英氏を擁立へ

参院選4人以上の戦い
 自民党滋賀県連は27日、近江八幡市内で臨時総会を開き、今年夏の参院選滋賀選挙区(改選数1)に、新人で公認会計士の武村展英(のぶひで)氏(38)を擁立することを決めた。
 候補者を公募し、最終選考に残った3人で党員投票が行われ、事前の郵便投票と合わせて武村氏が総数(2399票)の4分の3を占める1833票を獲得した。投票率は26%だった。
 武村氏は草津市出身、慶応大学商学部卒。衆院議員の政策秘書を務めた経験がある。現在は監査法人に勤務。東京都港区在住。
 参院選には、民主党現職の林久美子氏(37)、共産党新人の川内卓氏(54)、幸福実現党新人の荒川雅司氏(34)も立候補を表明している。
知事選7月11日投票へ
 県選管は26日、任期満了に伴う県知事選の日程を発表。参院選の日程に合わせ、投票日は7月11日(6月24日告示)に決定した。投票率向上や選挙への関心増大という観点から、参院選と同日が適当と判断。参院選の選挙期日は、通常国会の会期末・6月16日(予定)から24日以後30日以内とされており、7月11日が有力。県選管は、国会の会期が延長し参院選の投票日が変更した場合は、知事選もそれに合わせる方針。

「戦国彦根の城郭」などテーマひこね市民大学講座、3シリーズで4月9日~

 ひこね市民大学講座「歴史手習塾」が4月9日からひこね市文化プラザで始まる。昨年までは著名人の講演会だったが、今年は「新しい江戸イメージ!」、「戦国彦根の城郭講座」、「NHK大河ドラマから見た歴史」の3シリーズで歴史講座を開講する。講座日時と講師は以下の通り。
 ▽新しい江戸イメージ=NHK大河ドラマ「篤姫」「龍馬伝」で時代考証を担当した東京学芸大学教授・大石学さん。4月9日「江戸のイメージの変化」、16日「江戸にもあった政権交代」、23日「江戸の教育力」。午後6時半~。
 ▽戦国彦根の城郭講座=NPO法人城郭遺産による街づくり協議会理事長の中井均さん。5月12日「佐和山城をめぐる攻防戦」、19日「肥田城の水攻めと野良田合戦」、26日「山崎山城 安土・佐和山の中継点」。午後7時~。(オプション)6月6日「山崎山フィールドワーク」。
  ▽NHK大河ドラマから見た歴史=7月6日「龍馬が遺したモノ」・法政大学講師の佐藤宏之さん、16日「安政期の政局と大河ドラマ「篤姫」・杉並区文化財課の野本禎司さん、23日「剣術家集団の実像」・東洋英和女学院大学非常勤講師の三野行徳さん。午後6時半~。
 受講料は1シリーズ大人3000円、高大生1800円。申し込みは文化プラザ℡0749(27)5200へ。

2010年3月27日土曜日

観光都市・彦根の街づくりへ「市民の協力が不可欠」

 井伊直弼と開国150年祭が24日に閉幕した。築城400年祭(平成19年3月21日~11月25日)を含め彦根城を中心にした祭りは終焉し、彦根の観光は、城下町や城跡、近隣市町と絡めた広域での取り組みなど、次なるステップに進む。
 彦根の市街地には、足軽屋敷が残る芹橋地区、文化財的価値の高い建物がある花しょうぶ通り商店街と七曲り通り、中山道沿いの宿場町だった高宮と鳥居本を有し、南部にも荒神山や山崎山、肥田城跡など、観光客を誘致するのに足る十分な「観光候補地」は数知れない。
 しかし、観光客の多くが彦根城とその周辺を巡って帰路に就くという従来のとんぼ返りスタイルに変化はなく、前記に挙げた地に観光客は訪れていない。
 彦根城頼りの「おんぶにだっこ」の観光施策を続けてきたことで、文化財的価値のある無二の建物が壊され、歴史的景観が破壊されているのは周知の事実である。
 建物を壊しての道路拡幅や高層マンションを建設させるなどの街づくり政策に対し、市は最近になり、ようやくその路線を改め、国の法律を活用しながら、価値ある建造物の保護に乗り出している。遅きに失した感はあるものの、その転換は評価できよう。
 小生は昨年、吉田松陰の古里・山口県萩市を訪れ、先日には飛騨高山の市街地を散策したが、両市に共通しているのは、官民一体となって街づくりを行い、観光客の誘致に結びつけている点だ。住宅街において、萩は歴史的建造物を残し、飛弾高山は外観を茶褐色で統一させており、市民や商店主が行政と共に街づくりに協力している姿勢がうかがえる。
 彦根市においても、前記に示した観光候補地のそれぞれの地元住民らが、街づくりの方策を模索していることは明るい材料だが、あらゆる抵抗により、進みあぐねている感も否めない。
 価値ある建造物を守り、歴史的景観のある街づくりをいかに進め、観光客の誘致に結びつけ、周遊性を高めて宿泊客増に繋げるか―。
 それには、400年祭と150年祭をきっかけにして、立ち上がり(自立し)つつある市民の力が不可欠である。(山田貴之)

平成21年の彦根への観光客数増も 消費額や経済波及効果額が減、不況で?

 彦根市の観光に関する昨年1年間の経済効果が、前年と比べて軒並み減少したとする推計データを、調査した滋賀大学産業共同研究センターが25日、発表した。
 発表によると、昨年、彦根市に来訪した観光客数は210万人と、前年の185万人から増加したが、そのうちの宿泊客は17・2万人のみ。飲食や土産など消費総額は108億円と、前年の170億円を大幅に下回り、ひこにゃんグッズの販売額も8億円(前年10億円)と微減。
 不況のためか、消費による経済波及効果の総額は211億円、雇用効果は1200人と、前年(331億円と1955人)からいずれも大幅に減っている。
 彦根城への入場者数は72万人を超え、築城400年祭の前年以前(平成11~18年)との比較では約1・6倍。花見やゴールデンウィーク、9月の連休のシーズンに集中している一方、1月と2月は極端に少ない。
 立ち寄る場所は、彦根城が40%、キャッスルロードが26%、四番町スクエアが16%となっている以外は一桁で、観光客の周遊性の課題は残ったまま。
 また、5パターンのシナリオで周遊ルートを定着させた場合は、プラス4億円の経済波及効果があり、約400人の雇用がうまれるとする試算も出した。
 調査を管轄した山崎一眞教授は「市街地は車の渋滞が多いため、車をどのように流していくかもポイントではないか」と話した。調査は今後も続けるという。

湯葉専門店「大半」 明治創業期からの製法、彦根市芹橋

 彦根市芹橋1丁目の明治期の建物が並ぶ一帯に、約120年続く湯葉の専門店「大半(だいはん)」がある。
 現店主・梶田正喜さん(64)の曾祖父(半四郎)が、明治中期に旧四番町(現・本町1)で創業し、名前の「半」から店舗名を大半に。昭和30年ごろに現在の芹橋に移り、同50年ごろに梶田さんが祖父(半四郎)の後を継いで三代目となった。
 石製の台に専用の湯葉鍋(直径50㌢・深さ5㌢)を並べて炭火で温める昔ながらの製造法を採用。大きな鍋を使って大量生産をする方法と比べて、歯ごたえや味に微妙な違いが出るという。梶田さんは「炭火で作るというのが妙でしょう」と語る。
 材料は大豆と水のみ。毎朝6時から美紀子夫人(62)と二人三脚で作っており、午前中に生湯葉、午後に乾燥湯葉を仕上げている。生湯葉でも冷蔵庫で保存すれば5日はもつという。
 梶田さんは「湯葉はあまり食卓にのぼらなくなったが、そのまま食べる以外にも使い方は色々ある」と話す。
 生湯葉が500円パックと1000円パック、乾燥湯葉が200円~。生湯葉は店舗前に黄色の旗が掛かっていれば在庫あり。オープン時間は午前9時~午後6時。日曜・祝日休み。発送もできる。問い合わせは同店℡0749(23)2533へ。(文=山田貴之)

2010年3月26日金曜日

井伊直弼と開国150年祭閉幕「それぞれの直弼公像えがけた」

 平成20年6月から22カ月続いた井伊直弼と開国150年祭の閉幕式が24日、彦根城博物館能舞台で開かれた。
 150年祭実行委会長の北村昌造氏は「この時期に訪れて頂いた多くの方々がそれぞれの直弼公像をえがいて頂けたのでは。観光都市として揺るぎない基盤を築くことを期待しています」とあいさつ。
 十八代当主・井伊直岳氏は「150年祭が彦根の歴史の一コマとして語られる時が来て、将来的に高く評価されるようになればと願っています」と述べた。
 この後、茂山千五郎家による狂言「千鳥」の演舞、150年祭のダイジェストDVDの放映、直弼を弔うための彦根鉄砲隊による弔砲が行われ、獅山市長がひこにゃんと一緒に登場。市長は「これで終わりではなく、これからがスタートだ」と話し、北村会長が「閉幕宣言」をした。
 150年祭期間中(659日間)は、主催事業が37、市民創造事業が51行われ、彦根城への延べ入城者数は119万9475人だった。

2010年3月24日水曜日

「荒神山少年自然の家」存続求め、市民団体が2万人超の署名提出

 滋賀県が彦根市への移管を要請している県立荒神山少年自然の家(日夏町)の存続を求め、市民有志グループ「荒神山少年自然の家存続を願う会」のメンバーが、2万1310人分の署名簿を獅山市長に提出した。
 同会は、市内学校PTAのOBらで組織の「彦根市おやじの会」、市PTA連協、市子ども会指導者連合会のメンバー。昨年末に発足し、署名活動をしてきた。
 自然の家に関しては、県が平成23年度までに廃止するか移管する方針を示しており、県と市が協議を進めている。
 同会は「自然の家は子どもたちの人格形成に役立ってきた。何とか存続させて欲しい」と要望した。しかし運営費には年間約5500万円かかり、財政難の市も苦境の立場。市長は「県との協議で皆さんの熱意を伝えたい」と話した。

井伊直弼と開国150年祭閉幕へ、連休中はフィナーレイベント

 平成20年6月4日から行われていた井伊直弼と開国150年祭が、24日に閉幕する。フィナーレイベントとして20、21日には全国古式砲術鉄砲サミット、22日には狂言オペラが催された。
直弼、西洋流を積極採用
彦根藩の砲術、直政時代は稲富流
 鉄砲サミット1日目は彦根城博物館能舞台で、京都女子大教授の母利美和(もり・よしかず)さんが「彦根藩の砲術」をテーマに講演。初代藩主・井伊直政が彦根に入った際、砲術の師だった稲富祐直((いなどめすけなお)後の一夢(いちむ))を招いたことから「以降、彦根藩では稲富流砲術が広まった」と解説した。
 彦根藩の足軽のうち、当時の善利(せり)橋十二丁目の鉄砲足軽40人組は、天正年間(1573~92)から井伊家に仕えていた足軽・後藤治郎右衛門家伝来の「田布施(たふせ)流」を採用したと紹介。「足軽組ごとにそれぞれの流儀を伝承させてきた」と述べた。
 幕末の砲術については、青銅製から西洋流の鉄製に変化し、十三代・直弼は家来に西洋砲術・高島流を学ばせ、安政期には西洋流銃隊を形成させた歴史を説明した。
全国23鉄砲隊が演武
 鉄砲サミット2日目は彦根城内の大手前公園で、彦根鉄砲隊など全国23団体が古式砲術の演武を披露。甲ちゅうを身に着けた各隊が鉄砲を放つたびに、観客からは歓声が沸き起こっていた。
 当日は、歓迎セレモニーとして彦根市立城西小児童による大江戸吹雪の舞と、舞宇夢赤鬼のよさこいソーランが演舞された後、各隊が登場し、150年祭実行委の北村昌造会長が勝どきをあげた。
 その後、種子島火縄銃保存会を皮切りに、各隊が登場し演武を披露。前半終了後には12団体、後半終了後には11団体の代表者が一列に並び一斉射撃を行うと、会場からは大きな拍手が起こっていた。
 開会式や演武の合間には、ひこにゃん、サミットのイメージキャラクター「ひこどん」、いしだみつにゃんなどのゆるキャラも登場し、会場を沸かせていた。
直弼自作の狂言をオペラ風に
 22日には井伊直弼自作の狂言を約250人が演じる狂言オペラ、「たぬきのはらづつみ」が文化プラザで開かれ、約1100人(実行委発表)の観客を魅了した。
 「狸腹鼓(たぬきのはらづつみ)」は、井伊直弼がお抱えの狂言師・茂山千五郎正乕(まさとら)の指導で作った狂言で、千五郎家しか演じる事が認められていない。今回は150年祭のフィナーレを記念し特別に許可され、千五郎家監修のもと、狂言師のほか、市民200人以上、プロの作曲家、演出家、指揮者、オペラ歌手など総勢約250人が参加。
 たぬきの格好をした子どもたちが登場すると、会場からは笑い声も起こっていた。

2010年3月20日土曜日

近江鉄道 彦根駅東口に本社建設、元彦根東中校舎の旧本社は解体へ 

 近江鉄道の新社屋が彦根駅東口に完成し19日に竣工式があった。旧本社だった安清町の建物は近く解体され、一部が隣接する佐和山小学校のグラウンドになる予定。旧本社は彦根東中学校が前身のため、建物内は学校の校舎そのもので、外見もノスタルジックな雰囲気があり、解体を惜しむ声もある。
 彦根東中は昭和22年創立で、当時は旭森小学校の校舎が使われた。近江鉄道の本社だった旧東中校舎は体育館と共に同24年11月までに木造2階建てで完成。現校舎ができる同47年5月まで使用されてきた。
 近江鉄道は、彦根駅前にあった本社から翌48年に旧東中校舎に移り、「仮」本社としてこれまで利用してきた。
 建物内は、教室やトイレ、階段、体育館などの雰囲気が学校そのもの。外観も昭和時代の建物の面影を残している。しかし老朽化や耐震的な問題があり、解体の予定。市民からは解体を惜しむ声もあるが、市教委文化財課は「文化財的な価値はないため、解体もやむを得ない」としている。
 解体され、更地化された後、約1万8000平方㍍の敷地のうち、約2500平方㍍を市が買い取り、佐和山小のグラウンドになる予定。
 近江鉄道の新社屋は鉄骨4階建てで延べ約2933平方㍍。1階と2階がテナントで、3階を事務所、4階を倉庫として利用する。23日に業務開始となる。

2010年3月19日金曜日

佐和山城下に鍛冶職人? 内堀跡なども発見

 滋賀県文化財保護協会は、発掘調査中の佐和山城遺跡で、内堀の一部などの遺構が発見されたと発表。20日午後1時半~現地説明会を開く。
 昨年4月から9月に行われた佐和山東側2281平方㍍の発掘調査では、石田三成時代の武家屋敷跡が見つかった。2月から行われている今回の調査区域は、「佐和山城絵図」(=写真=彦根城博物館蔵)に描かれている内堀と主要道に挟まれた城下町エリアの一画のうち、第1(幅4㍍・長さ35㍍)と第2(幅4㍍・長さ102㍍)の調査区。
 これまでに、内堀(東西幅約22㍍)のうちの東側約10㍍分、内堀へ流れ込む東西の溝、当時の小字「百々町(どどまち)」を通っていた主要道、井戸2基などが発見。
 遺物では、文字が刻まれた硯(すずり)、高級焼き物の天目茶碗、銅銭などのほか、坩堝(るつぼ)や大型のフイゴ羽口など鍛冶(かじ)に関する遺物が出土していることから、城下町に鍛冶職人がいたと見られる。
佐和山城の城下町については、その中心が城郭東(鳥居本)側か西(彦根)側かの説がある。長浜城歴史博物館の学芸員・太田浩司さんは「今回の調査で少なくとも東側に城下町が形成されていたことが確認できた。非常に貴重な資料だ」と話している。
現地説明会は雨天決行。駐車場無し。近江鉄道鉄道鳥居本駅から徒歩約15分。問い合わせは県文化財保護協会℡077(548)9780へ。

福祉の自転車タクシー「べんりんたく」運行開始 市街地で、五環生活

自転車タクシー(輪タク)を運行しているNPO法人「五環生活」(近藤隆二郎代表)は、実験運行していたお年寄りなど向けの福祉輪(りん)タク「愛称・べんりんたく」の運行を、彦根市街地で17日から開始した。
昨年7月~12月に、市内の福祉施設を対象に輪タクを運行。今年1月20日~3月15日には城西学区のお年寄りや障害者を対象に1回100円で実験運行を行い、好評を得た。アンケートでは「ドライバーや同乗者との会話が楽しめる」、「景色を眺めながら利用できる」などの声があったという。
「べんりんたく」の対象は、市内のお年寄りや身体障害者、乳幼児連れの保護者。買い物や保育園の迎え、お出かけ、荷物の運搬などでの利用を呼びかけている。
走行範囲は芹川~彦根城までか、カインズ~花しょうぶ通り商店街または彦根駅周辺まで。料金は一人1㌔未満300円、1~1・5㌔未満500円、1・5~2㌔未満800円。午前10時~日没。休日は火曜日と強風時。予約は同団体℡090(6552)2215へ。

2010年3月17日水曜日

ギネス挑戦・第4弾「みんなで かくれんぼしよう」 寺村邦子さん参加募る

 かくれんぼをしてギネス記録をつくろう―。彦根市尾末町の寺村邦子さん(54)は4月4日午後1時~1時間、荒神山公園でかくれんぼをする人を募集している。
 寺村さんは、平成19年4月の184時間コンサートでギネスを更新したのを皮切りに、20年6月に大借り物競走でもギネス記録を達成。昨年7月の大勢での口笛演奏もギネス更新の手続きを進めている。
 4度目の挑戦となる「かくれんぼ」は鬼役が一人で、残りの隠れ役は野外ステージに置かれた本拠地で鬼役が5分間待つ間に隠れる。鬼が探している間に本拠地に向かえば、再スタートとなる。
 当日は英国ギネス・ワールド・レコーズの認定員も駆けつける。これまでに誰も挑んでいないイベントのため、認定員に認められば記録となる。100人以上を見込んでおり、鬼役や最後まで隠れきった参加者などには記念品贈呈。
 隠れるだけのため、障害者やお年寄り、幼児も参加できるという。当日のスタッフも募集。
 寺村さんは「150年祭も終わるし、彦根を元気にしたい。みんなで一緒にかくれんぼをしましょう」と参加を呼びかけている。問い合わせは午前8時~午後9時に寺村さん℡090(5152)3918へ。

全国古式砲術鉄砲サミットin彦根 20・21日、鉄砲隊23団体が演武披露

 全国古式砲術鉄砲サミットin彦根が、20、21日の両日、彦根城内で開かれる。
 20日は彦根城博物館で午後3時~「彦根藩の砲術」(仮称)をテーマに京都女子大学・母利美和教授による記念講演と、「火縄銃の歴史を生かした街づくり・サミットはどうすれば継続できるか」をテーマに母利教授や国友鉄砲研究会の廣瀬一實(かずみ)さんらによるパネルディスカッション。入場無料。
 21日は大手前公園で全国の鉄砲隊23団体による火縄銃演武。午前9時10分~記念セレモニーと開会式、10時~各隊の演武、午前と午後に1回ずつ彦根や各地の名産が当たる抽選会。ひこにゃんとサミットのイメージキャラ「ひこどん」の共演は開会式のみ。会場では彦根の特産品販売・飲食のブース、赤備え甲冑の返信体験、ゴム鉄砲射的コーナーも。入場無料。午後4時まで。荒天中止。問い合わせは彦根商議所℡0749(22)4551へ。

「人間とは何かを考えよ」 滋賀大学名誉博士授与の丹羽宇一郎氏

 滋賀大学から名誉博士の称号を授与された伊藤忠商事取締役会長の丹羽宇一郎氏(71)は記念式典の中で「商売道の精神と倫理」をテーマに講演し、「経営者は人間とは何かを考える事が重要だ」と述べた。
 丹羽氏は、生物学者アレキシス・カレル(1873―1944)の著書「人間、この未知なるもの」を紹介しながら、「人間はすべて自己中心的に考える動物で、寒ければ暖房をし、水がなければ奪い合う」と解説したうえで「自己の欲を抑え、利己への利益を考えるのが倫理だ」と展開。「人間とはいかなるものか、経済においてもそれを前提に考えなければならない」と述べた。
 「商売」という概念に関しては、「商売は卑しいものだが、ただ単に儲ければ良いのではなく、倫理に注目しなければならない」とし、ドイツの経済学者マックス・ウェーバー(1886―1920)の思想を説明しながら「実に近江の商売道の精神と倫理に似通っている」と、三方よしで商売をした近江商人の精神を称えた。

2010年3月16日火曜日

紙芝居「井伊直弼物語」 彦根家チンダンバンド製作、無料貸し出しも

 彦根市民有志の団体「彦根家チンダンバンド」(団朋希団長)が作っていた紙芝居「井伊直弼物語」が完成した。希望者には無料で貸し出している。
 子どもたちに彦根の歴史を楽しく学んでもらおうと、メンバー4人が昨年7月から製作に掛かっていた。紙芝居は「井伊直弼物語」のほか、ちんどん屋の1日を紹介した「やってきましたちんどんひこねや」の2種類。
 大型の段ボール(43㌢×62㌢)にポスターカラーで描かれている。7日に市内で開かれた大道芸まつりで初披露され=写真、子どもたちに大人気だった。今後も彦根に伝わる昔話の紙芝居を製作するという。問い合わせは同団体℡090(6965)7212へ。

2010年3月13日土曜日

滋賀県立大生グループ「七曲りでいっちょやったるか!」彦根仏壇の紙芝居作る

滋賀県立大生のグループ「七曲りでいっちょやったるか!」が、彦根市内の仏壇街、七曲り通りを紹介した紙芝居を作っている。
メンバーは人間文化学研究科の清水愛子さん(27)や人間文化学部2回生の竹部咲希さん(20)ら4人。彦根仏壇街を盛り上げようと昨年6月にグループを結成。彦根仏壇や七曲り通りについて研究し、地元の子どもたち向けに紙芝居作りを企画し昨年末から製作にかかった。
紙芝居は、彦根仏壇にいたずらをしておじいさんから叱られた男の子が昭和初期にタイムスリップし、そこで出会った少年と七曲り通りを歩いていくストーリー。水彩やアクリルの絵の具を使って、すべて手作りで仕上げている。
今月中に5部作成し、1部を地元に譲る。紙芝居の読み聞かせをしている団体へ希望があれば進呈する。無料貸し出しも。清水さんは「この紙芝居で子どもたちが少しでも彦根仏壇や七曲り通りに興味をもってもらえれば」と話している。問い合わせは清水さんメール(aikonnmaru0207@yahoo.co.jp)へ。

高学年以上の児童デイサービス「はばたき」開所、NPOぽぽハウス

小学校高学年以上の障害のある子ども向けの児童デイサービス「はばたき」が28日、滋賀県内で初めて彦根市小泉町にオープンする。14日には現地説明会が開かれる。
 「NPOぽぽハウス」(山脇?子理事長)が、障害のある子が社会に出た時に健常者と同じような生活ができるよう、高学年以上から18歳の子を対象に開所。買い物の仕方や電車の乗り方、トイレの使い方など、一人一人に合ったカリキュラムを作成し指導にあたる。
教員は介護福祉士、介護ヘルパー、養護教員、保育士など5人以上(うち常勤2人)。開館時間は月~土曜日の午前9時半~午後2時と午後2時~同6時半。
同団体では障害のある未就学児対象の児童デイサービス「ぽぽハウス」をすでに運営。未就学児対象の児童デイは県内でもあるが、県などによると、高学年以上対象の児童デイは初めてだという。
山脇理事長は「子どもたちは一つ一つ体験させてやらないと。それぞれの子にとって大事な事を身につけてやりたい」と話している。
同団体では、ミシン、裁縫箱、電気ポット、ドライヤー、アイロン、キーボードの寄贈や寄付金を受け付けている。問い合わせは、ぽぽハウス℡0749(27)9777へ。 ?は日ヘンに令

2010年3月12日金曜日

滋賀県ひょうたん展 彦根で、ひこにゃん作品も

 滋賀県愛瓢会(田中正雄会長)は14日まで、彦根市田原町のみずほ文化センターで県ひょうたん展示会を開いている。19回目。
 県内外の幼児から大人まで211人が栽培し絵付けをほどこしたひょうたん約500点を展示している。
 ひこにゃんをかたどった作品や内部に電飾を入れた灯ろう風、稲枝北、城陽、城北小4年生の出品もある。とりわけ、高さ1.5メートルほどの巨大ひょうたんや、「瀬田の唐橋」を精巧に絵付けした作品などが来場者を魅了している。
 14日午前には嘉田由紀子知事が来場する予定。開館は午前9時~午後5時(14日は同2時半まで)。入場無料。

琵琶湖砂浜で浜欠け 新海浜では200㍍、「人為的」の声も

 彦根市の新海浜町と薩摩町の湖岸で、砂浜が侵食される浜欠(が)けが発生している。
 侵食エリアは、新海浜が幅約200㍍、薩摩が約100㍍で、高さは最大で約80㌢。原因は特定されていないが、県土木事務所によると、雪解け水などにより琵琶湖の水位が上がったところに、北西からの季節風が吹き波が押し寄せることで、浸食されるのが主な原因としている。
 琵琶湖岸では季節ごとに各地域で浜欠けが起こっており、新海浜などでは10年以上前から浸食が進み、平成17年に砂を補充する養浜工事が行われたが、20年にも再び発生。復旧工事が行われている。
 地元住民からは「多額の金をかけてまた発生させている」「風は無理だが、水位ならコントロールできるはず。人為的な災害ではないか」と指摘する声もあがっている。
 県は現場調査をした後で、何らかの対応をするとしている。

2010年3月10日水曜日

伊藤忠商事取締役会長・丹羽宇一郎氏に滋賀大学名誉博士称号を授与

 滋賀大学は8日、伊藤忠商事取締役会長の丹羽宇一郎氏(71)に名誉博士称号を授与し、同日講堂で記念式典を開いた。丹羽氏は記者会見で同社創設者・伊藤忠兵衛の関連資料を展示する「伊藤忠資料館」を創設させる構想があることを明らかにした。
 滋賀大学は近江商人研究を熱心に取り組んでおり、伊藤忠兵衛が豊郷町出身だったことから、関連資料の寄付や研究者の派遣を同社から受けたりしていた。
 授与式で成瀬龍夫学長は「名誉博士号第1号の誕生であり、歴史に残る出来事として大変よろこばしく感じている」とあいさつ。
 丹羽氏は「この称号は初代・忠兵衛に代わってお受けしたこと」と謙遜し、「近江商人の底流に流れるものが近代資本主義の発展につながった」と述べた。
 滋賀大学との今後の関係については「忠兵衛が残した資料は資本主義の発展のための貴重なもの」「近代的資本主義を歴史的にみるためにも伊藤忠資料館を作っていかなければならない」と話した。会見後には丹羽氏の講演会も開かれた。

2010年3月9日火曜日

河瀬中学・高校生徒とALTが「世界の料理作り」、国際理解の推進で

 滋賀県立河瀬中学・高校は6日、国際理解教育の一環として、県内の外国人指導助手(ALT)などを招いて世界の料理を一緒に作った。
 同校は今年度、文科省指定の「学力向上実践研究推進事業」を受けており、その中で国際理解教育推進の授業を展開。昨年11月にはALTと生徒で荒神山へハイキングに出かけた。
 今回は「世界の料理を作ろう」をテーマにALT5人と国際交流員1人の外国人が参加。同校で参加を希望した中学1年~高校2年生計21人と一緒に外国の料理を作った。
 メニューは中東、イタリア、メキシコ、インドなどの料理で、前菜、メイン、デザート、ドリンクの4班に分かれて作り、完成した料理を一緒に食べて交流していた。
 高校1年生の内木裕袈さん(15)は「ALTの方は皆さん優しく、会話もできた。もっと英語を勉強して普通に話せるようになりたい」と話していた。

彦根市立病院で初 救急時の対処法競う「ひこねメディカルラリー」

 災害や事故発生後の救命救急の対処を競う技能コンテスト「ひこねメディカルラリー」が6日、彦根市立病院内で初めて行われた。
 市立病院の医師や看護師、市消防本部の救命士、京都橘大学の学生など約60人による実行委員会が主催。災害や事故が発生した際に、医師や看護師、救命士らがどれほど正確かつ迅速に対応できるかを競うコンテストで、市立病院では6カ所にそれぞれ異なる設定のチェックポイントが設けられた。
 参加者は医師、看護師、救命士、救急隊員の計45人。3人ずつ15チームに分かれ、6カ所をローテーションで回り、15~20分の制限時間内で対処した。
 居酒屋でもめごとがあり一人が胸を刺され、もう一人が耳が聞こえなくなるという設定では、止血や呼吸確保、担架への移動、聴力障害へのコミュニケーションの取り方などが求められ、参加者はそれぞれの対処を真剣な表情で行い、けが人役も迫真の演技を見せていた。
 市立病院では「今回の経験を生かし、少しでも救急医療の技術向上に努めていきたい」としている。

2010年3月6日土曜日

「ひこね城下町大道芸まつり」7日 彦根市内商店街で18組がパフォーマンス

 全国各地から18組の大道芸人が集う「ひこね城下町大道芸まつり」が7日、彦根市内の銀座・中央商店街で開かれる。6日には大道芸のプレイベントも催された。
 パントマイムや猿回し、自転車芸などの大道芸人によるパフォーマンスのほか、市内飲食店による「えんぎ市」、市民団体による商品販売の「にぎわい市」、ミニSLや昔の遊び体験など「子ども広場」もある。午前11時~午後4時。オープニングにはひこにゃんと、銀座医商店街のキャラ・ゑびすくんも登場する。雨天決行。
 6日のプレイベントは、四番町スクエアでジャグリングショー、登り町グリーン通りでミニ大道芸、リバーサイド橋本通りでミニ大道芸とちんだんバンドが行われた。

「大江戸吹雪」の舞い披露 城西小児童、21日の本番前に

 彦根市立城西小学校の児童が3日、井伊直弼の開国への思いをうたった民謡「大江戸吹雪」の舞いを披露した。
 井伊直弼と開国150年祭を機に結成された市民有志の団体「直弼のこころを伝える会」(直心会)が、平成20年10月から大江戸吹雪を通じて直弼の思いを広めようと舞いを練習。子どもたちにも大江戸吹雪を知ってもらおうと、体験教室を企画した。
 城西小では3年生47人が今年からクラスごとに総合的な学習の時間で練習をしてきた。3回目の全体練習となった3日、児童たちは直心会の会員の手本を見ながら、練習の成果を披露していた。
 児童の山本秀哉君(9)は「扇子の返し方をもう少し練習しないと。本番(21日)までには完璧に仕上げたい」と話していた。
 21日の本番は大手門前広場である全国古式砲術鉄砲サミット2日目の開会前(午前9時10分)~。直心会のメンバーや城西小児童ら約70人が演舞を披露する。

彦根城の世界遺産登録 滋賀県と市・推進協議会設置へ

 彦根城世界遺産登録推進委員会の第2回会議が2日、市役所で開かれ、滋賀県と彦根市で登録推進のための協議会を平成22年度に設置する方針が示された。
 会議では推薦に向けた課題として、文化庁から▽すでに登録されている姫路城と異なった普遍的価値を立証させること▽彦根城跡の保存整備を進展させること―などの指摘があることを紹介。
 国宝四城のなかでも、彦根は上屋敷の表御殿と、玄宮楽々園・松原下屋敷の下屋敷、城下町の町割りや特有の建造物が残っているという相違点を報告した。
 来年度の活動としては、国や世界遺産に詳しい学識者の指導と助言を得ながら推薦書原案の素案を作成するとし、そのために県と市で推進協議会を設置。平成23年度に推薦書原案を作成し国からの推薦を目指すことを確認した。

2010年3月4日木曜日

彦根城の屋形船4隻目「柳王丸」運行開始、観光客周遊目指し山崎郭前に船着場も新設

 彦根城の内堀で屋形船を運航しているNPO法人小江戸彦根(棚橋勝道理事長)は2日から、4隻目となる「柳王丸(りゅうおうまる)」の運行を開始。また観光客の周遊性を広げるために城内の山崎郭前に新しい船着場を整備した。
 彦根城築城400年祭を機に運航を始め、第1弾の「掃部(かもん)丸」(平成19年3月)以降、「万千代丸」(同8月)、「中将(ちゅうしょう)丸」(20年3月)を製作。運行開始から今月で3年目を迎え、乗船客は延べ約3万1000人。
 柳王丸は、船体が長さ約11㍍・幅約2・4㍍で、高さ約1・4㍍の屋形を取り付けた。鈴竹工務店(豊郷町)代表の鈴木大祐さん(44)=彦根市東沼波町=が製作を担当。屋形の屋根には彦根仏壇の漆塗りや飾り金具、金箔押しの技術を取り入れ、外観を江戸時代に実際に運航されていた「本物」に近づけた。
 またお年寄りや障害者が安心して乗り降りできるよう乗降口のスペースを広めにしたほか、屋形の高さを高くし、屋根も取り外せるようにした。名称は井伊直弼の雅号「柳王舎(やぎのわや)」から採用。
 柳王丸の運航に合わせ、山崎郭前にも下船専用の船着場を整備。山崎郭周辺や滋賀大学の陵水会館、ヴォーリズ洋館、スミス記念堂などの遺産へ観光客が訪問できるようにした。
 お披露目会で棚橋理事長は「屋形船の製作はこれを最後にし、彦根の観光資源として定着させたい」と話した。
 なお屋形船の運航時間は1時間間隔で、平日が午前10時~午後3時、土日祝日が午前10時~午後4時。乗船料は中学生以上1200円、小学生以下600円、3歳以下無料。予約も可。問い合わせは小江戸彦根℡080(1461)4123へ。

彦根鉄砲隊のキャラ「ひこどん」誕生、彦根総合高生が着ぐるみ製作

 今月20、21日の両日、彦根城内で開かれる「戦国古式砲術・鉄砲サミットin彦根」のシンボルキャラクター「ひこどん」の着ぐるみが先月末に完成。製作した彦根総合高校の生徒と一緒に3日、市役所に訪問した。
 ひこどんは、しまさこにゃん、いしだみつにゃんを作った、やまもとひまりさんが考案。「井伊の赤備え」の鉄砲隊をイメージしており、赤色の具足を着、「井」の紋章が入った旗印を背に、鉄砲を構えている。
 彦根鉄砲隊に同校の理事が所属していることから、着ぐるみを作ることになった。製作担当は彦根総合高校アートデザイン系列3年生の中島菜摘さん(17)と徳田晃子さん(18)。昨年末に材料を調達し年明けから製作に取り掛かり、休日にも登校しながらすべて手縫いで約2カ月かけて仕上げた。
 着ぐるみは身長が183㌢・胴回りが最大で137㌢。鉄砲や旗も作っており、イラストでは隠れていた胴の部分には橘の家紋が入っている。3日に市役所に訪問した徳田さんと中島さんは「ひこどんには、ひこにゃんと並ぶ人気者になって、彦根といえば、『ひこにゃんとひこどん』と言われるようになってほしい」と述べた。

2010年3月3日水曜日

江戸期の旧酒造店「中村商家」 酒蔵や文庫蔵、明治期の主屋

 彦根市旭町の旧酒造店「中村商家保存館」(国指定登録文化財)には、江戸末期に建てられた文庫蔵と酒蔵、明治44年建設の主屋が残っている。
 中村家は、本家(現・京町1)から分かれた分家の初代が町屋街(旧下瓦焼町)に移り住み、寛永11年(1634)ごろに酒造店を始めた。しかし、江戸末期から明治初期にかけて酒造業から酒販売店に変更。昭和25年まで商売を続けた。現在、館長の中村武三さん(84)で十二代目。
 建物全体は間口約25㍍、奥行き約28㍍。主屋は木造2階建て建築面積216平方㍍。表側に店と座敷の部屋があり、その南側には土間がある。2階は舟底天井で従業員の部屋になっていた。主屋の裏側には台所、納戸、かまど、風呂場などを設けている。建物は明治42年(1909)8月の地震で壊れ、翌年から大改修された。
 主屋座敷の北側に広がる内庭には江戸末期建設の土蔵造り2階建て建築面積28平方㍍の文庫蔵がある。主屋の背後には江戸末期建設で土蔵造り2階建て建築面積109平方㍍の酒蔵がある。酒造業を営んでいた時の蔵で、外部は改装されているが、内部は当時のまま。
 平成9年6月に中村商家保存館が設立され、同11年に国の登録文化財に選定。先月19日には彦根市の「景観重要建造物」と「歴史的風致形成建造物」に指定された。
 中村商家保存館の一般公開が今月16日から始まる。開館は6月15日までの火木土日曜と祝日。午後0時半~同4時。入館料は高校生以上200円、小中学生100円。10人以上の団体割引あり。問い合わせは同館0749(23)5297へ。

2010年3月2日火曜日

ひこにゃん使用料 有料へ、7月から

 井伊直弼と開国150年祭(今月24日まで)終了以降のひこにゃんのイラスト使用料について、獅山市長は1日、7月から原則有償化する方針を示した。
 ひこにゃんは、財産区分でみた場合、「普通財産」にあたるとして、イラストを使用してグッズを販売する場合などは有償化にするのが適当と判断した。ただし、市内の業者や、ポスター・名刺など公共性のある場合は無償か減免措置にする。
 使用希望者は、申請書を市に提出し、市が有償と判断した後、弁護士と使用料の利率を相談する。弁護士との交渉開始時期は未定。申請期限は6月末まで。
 なお平成20年1月からの申請件数は約1400件で、使用許可は昨年末時点で990件。そのうち有償化にあたる件数は840件だった。