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2016年11月29日火曜日

南彦根駅近くに新設する市民体育センター内への図書館(サテライト館)を巡って事務局側の市教委と大半の委員の意見が対立

 彦根市内の図書館の整備方針を決める3回目の市図書館協議会が15日、尾末町の市立図書館で開かれたが、南彦根駅近くに新設する市民体育センター内への図書館(サテライト館)を巡って事務局側の市教委と大半の委員の意見が対立。急きょ年内に再度、協議会が開かれる予定となった。
 市教委が発表した整備基本計画のたたき台では、拠点になる「中央館」を河瀬か亀山学区内に新設するほか、現図書館の北部館、稲枝地域の南部館、市民体育センター内に図書館機能を有するサテライト館の3つの「地域館」を設ける方針。
 一方で、協議会では昨年7月から新たな図書館整備に向けて話し合ってきた経緯があるため、委員からは「市内3館で議論を進めてきたのに、突如4館になった。これまでの話し合いは何だったのか。納得できない」「サテライト館が先に完成すると、中央館が充実しないのではないか」「サテライト館を設けるぐらいなら、もっと体育機能を充実させるべきだ」「サテライト館ではなく、図書機能ぐらいでよい」など、正副委員長を除く委員8人のうち6、7人がサテライト館に対して反対意見を述べた。
 今後は年末に整備基本計画の素案を市のホームページにアップするなどして、パブリックコメントを1カ月間募り、2月中旬に4回目の協議会を開催した後、3月中旬に計画を策定する計画だった。しかし、サテライト館に対して委員の反対が根強いため、公表前の年内に4回目の協議会を開くことになりそうだ。
教育部長が不適切発言
委員「議論意味ない」
 15日に開かれた市図書館協議会では、市教委の山口義信部長の発言を巡って委員から不信の声があがった。
 サテライト館が不要だとする意見が計画に反映されるのかとたずねた委員からの質問に対し、山口部長は「この協議会は諮問機関ではないため、最後は事務局が決めることになる」と述べた。
 同協議会は法的には諮問機関ではないが、市教委から諮問された委員たちが市内の図書館の整備方針を話し合っており、事実上の諮問機関の役割を果たしている。
 山口部長の発言に対し、委員からは「いくら議論を深めても反映されないのなら意味がない」など反発の意見が出ていた。
 ※解説=サテライト館を新設したい市教委(市)側と、設置する必要がないとする委員側で対立し、このままでは収拾がつきそうにない。
 市側がサテライト館の設置にこだわる理由は、市民体育センターの新設とも深く関わっている。元々、南彦根駅前のひこね燦ぱれす周辺は図書館(中央館)の最有力候補地だった。
 地元においても図書館整備を期待する声があった中での市民体育センターの新設話に、動揺の声があったとも聞く。
 つまり、市側としては「サテライト館」と銘打って、地元に理解を求めたい思惑があるものの、この財政難の時代にそうやすやすと問屋が卸すはずがなく、委員から反対の声が相次いだ。
 そして、その上に事務局トップの部長による不適切発言があったことで、委員の不信感はますます根強くなっている。
 同協議会を経たとしても、次は市議会が待ち構えており、このままの素案では先行き不透明であり、見直しが求められよう。        (山田)

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