ローチョコは、48度以上の加熱調理をせずに生(raw)のカカオ豆で作った菓子。吉田さんによると、加熱による栄養素の損失を防ぐことができ、カカオ豆に含むポリフェノールや食物繊維、カルシウムなどで免疫力の向上や動脈硬化予防、便秘・肌荒れ改善、認知症予防につながるという。
吉田さんは5年ほど前に京都市内のローチョコの店「カカオマジック」を知ったのを機に関心を持ち、2年前からローフードを本格的に学び始めた。そしてローチョコを広めていこうと開店を決意。空き家化し取り壊されていく旧足軽屋敷が増える中、幼少期に見ていた彦根の街並みの保存に役立とうと、旧彦根藩で善利(せり)組の足軽屋敷だった村山家住宅=市指定文化財=内に店を設けた。
村山家住宅は約9㍍×約18㍍の敷地に、玄関や座敷、納戸、台所、土間などを備えた約99平方㍍の主屋が建っているほか、庭園があり、天保7年(1836)の御城下惣絵図にも描かれている。
吉田さん手作りのローチョコはエクアドル産のカカオ豆を使っており、白砂糖不使用で、オーガニック素材を取り入れているのが特徴。店ではローチョコのほか、ケーキ、非加熱のクッキー、スムージー、アーモンドミルクなどを用意。店内で飲食もでき、近くに住む陶芸家の中川一志郎さんが作った皿に提供する。今後はローチョコなどの教室も開く予定。吉田さんは「将来的には彦根の健康的な食を発信する場所にして、彦根の経済や観光産業の一助になればうれしいです」と話している。
開店時間は土日の午前9時~午後7時。店の住所は芹橋2丁目6の54。ホームページやフェイスブック、インスタグラムもある。問い合わせは吉田さん☎080(4390)1476。
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