文化庁の文化審議会は20日、彦根市中央町から錦町にかけての彦根城の外堀跡を、国の特別史跡に追加指定すると答申した。すでに特別史跡に指定されている彦根城跡に外堀跡が加わることで、今後の世界遺産登録に向けた弾みになる。
彦根城の外堀は城の防御施設として、築城後の元和(げんな)元年(1615)以降に芹川(当時は善利川)の支流を使って彦根藩単独で整備が始まり、中堀の整備を終えた同8年以降に完成。旧松原内湖から彦根城を囲み同内湖に戻る総延長約3・4㌔の長さで、堀の城内側には土塁が築かれた。
外堀はマラリア対策として昭和20年代後半までに埋められ、土塁が現存するのは中央町のみ。中央町の土塁の大きさは、高さが城内側で5・5㍍、城外側で6㍍以上、南北の幅が23㍍、東西の幅が底辺18㍍・上部4㍍の台形型。
特別史跡に追加指定されたエリアは民有地の土塁部分と、一部が市道になっている堀のあった部分の計約1305平方㍍。土塁部分が中央町で、市道部分が錦町に位置する。
また特別史跡の追加指定に先立ち、外堀跡全体が土地の発掘調査の実施対象になる市の埋蔵文化財包蔵地になった。
外堀跡としては中央町の土塁のほか、土塁の基底部分が長曽根口や蓮華寺(中央町)裏手、圓常寺(城町)の竹薮にも残っている。市教委は来月19日午後1時~文化財課の職員のガイドで探索する「外堀探検隊」を開催する。問い合わせは文化財課☎(26)5833。
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