出馬を表明しているのは、自民党・公明党などが推薦する元内閣参事官・小鑓(こやり)隆史氏(47)、民主党の前衆院議員・三日月大造氏(43)、共産党推薦の坪田五久男氏(55)。討論会では本紙の山田貴之編集長とエフエムひこねの小幡善彦社長が進行役を務め、3氏に対してテーマごとに政策を聞いた後、来場者からの質問を受け付けた。
嘉田県政について、坪田氏は「流域治水条例や中小企業の活性化については評価しているが、市町合併を承認し、高校の統廃合を進め、県立の施設も市に移管したことはマイナス」と指摘。小鑓氏も「『もったいない』を掲げて財政面で一石を投じたが、経済やインフラ整備が進んでいない。先の衆院選で小沢一郎さんと組んだことも県民からの信頼を無くした」と批判した。一方で、嘉田知事の後継である三日月氏は「女性の就労や子育て支援などで大きな成果を上げられてきた。エネルギー政策においても自立した滋賀を作ろうとし、大きな役割を果たした」と評価した。
県北部よりも南部を重視する施策が目立つ「南高北低」に関しては、小鑓氏が「北部の観光資源は誇れるものがある。彦根の城下町は日本一価値があると思う。湖上交通を進め、琵琶湖を使って文化遺産をつないでいきたい」、三日月氏は「駅前の開発や国体主会場の彦根総合運動場周辺の整備をしたい。草津に住み、大津に知事公舎があるが、知事になったらこの湖東湖北にも住みたい」、坪田氏は「湖東湖北は高齢化が進んでおり、お年寄りの方のサービス向上のための施設を作らなければならない。基幹産業の農業も支える」と述べた。
北陸新幹線のルート候補(米原、湖西、小浜)の支持ルートと、リニア中央新幹線の整備に伴う新駅に関しては、小鑓氏と三日月氏が米原ルートを支持する姿勢を示した上で、小鑓氏が「米原と京都の間は距離があるため新駅設置を働きかけ、近畿、東海、北陸の要となる広域交通の整備を進めたい」、三日月氏が「新駅は知事一人では作れない。県民との議論に再挑戦して進めたい」と語った。一方で坪田氏は、新駅凍結で嘉田知事が8年前に当選したことから「新駅がいらないという県民の審判はすでに受けている」と新駅設置を否定した。
来場者からの原発の再稼働に関する質問に、小鑓氏は「琵琶湖を預かる滋賀県として、立地自治体である福井県との連携強化に取り組み、再稼働に関しては滋賀の立場から働きかけたい」と話した。一方で三日月氏は「3・11の教訓は想定外を想定すること。再稼働には立地自治体並みの条件を求める」、坪田氏は5月21日に福井地裁が大飯原発の再稼働を認めない判決をしたことをあげ「原発による経済発展と人間の命とをてんびんにかけることは許されないとの判決文を支持する」と、いずれも脱原発の考えを示した。
エフエムひこねは琵琶湖上で行った公開討論会の模様のダイジェスト版をラジオで放送する。放送時間は、21日正午~、22日午前9時~、23日午前10時半~、24日午後8時~。エフエムひこねのホームページでも動画をアップする予定。
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