今議会の焦点になっていた彦根市役所本庁舎の耐震化に対して、大久保市長提案の関連予算を省いた修正案が複数の議員から29日再開の本議会に提出され、賛成多数で可決された。6月議会に続き、市長提案の関連議案が事実上否決されるという異例の事態になった。
市長は6月議会で彦根駅東口への仮設庁舎の建設費などを計上したが、市議会は昨年末に可決した5項目の付帯決議が守られていないなどとして、関連議案を省いた修正案を賛成12、反対11の一人差で可決。市長は今議会に、本庁舎前面に1階建てと後面に5階建ての増築を行い、市民会館と中央町の仮庁舎にある部局を集約させるなどの案を提案した。
しかし前市長の獅山向洋議員の情報公開請求で、6月議会後に各部局を対象に行われたヒアリング調査の結果が市長提案の計画案にほとんど反映されていなかったことが判明。ほかにも今議会では、市職員一人あたりのスペースが狭くなることや県との折衝不足、外からブレースが見えることなども明らかになった。
修正案の提案者の一人、谷口典隆議員は提案理由の説明の中で議会内に「本庁舎耐震化整備特別委員会」を設置することを表明し「スピード感を持って年内にも一定の結論を出す」と述べた。修正案の可決後には同委員会設置に関する動議を発し、賛成多数で認められた。6月議会で賛否が分かれた保守系会派・公政会が28日に行った会合でも、同委員会の設置の説明があり、当初は修正案に反対姿勢だった議員も賛成に転じ、結局、29日の採決では議長を除く同会派の所属議員9人のうち7人が修正案の賛成に回った。
この結果、議長を除く23人の議員のうち、修正案に賛成した議員が15人、反対が8人だった。
修正案の可決を受けて市長は「役所内での議論の本質・プロセスについて議会への情報提供が十分でなく、理解を得られなかったのは残念。議会と相談しながら事業内容を決定し、本庁舎耐震化に向けて取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。
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