県立高校の再編計画について、末松史彦県教育長は3日の県議会で、今年度中に策定する予定だった計画案を1年延期する考えを示した。
末松教育長は会派代表質問で、県内7会場で開いた説明会で「保護者や該当高校のOBへの周知が不足している」などの意見が出たことから、「豊かな教育環境を提供できるよう、一層の周知が大切で、もう少し時間をかける必要がある」とし、計画の策定時期を次年度に延期する意向を明らかにした。
再編計画について、県教委は▽生徒数減▽生徒のニーズ多様化▽県の財政難を理由にあげ、「県立学校のあり方検討委員会」が3月に報告した「適正な学校規模を6~8学級程度にすること」などを再編案として示していた。
先月23日に彦根市内で行われたPTA代表者対象の「意見を聴く会」では、県教委の説明に対して、「保護者会を開くなりして、マイナス情報を含めてすべての関係者が情報を知るようにするべきだ」、「学校が無くなることで、地域社会への影響も出てくるのではないか」などの意見が出ていた。
※(解説)県立高校の再編計画について、小生は先月27日付けの本紙で、「PTAらの質問に県教委の回答はあいまいだった」としたうえで、「稚拙な論理のまま強引に進めるな」「いったん立ち止まり、末端へ説明せよ」などとする拙文を掲載した。
この問題に対する県民の関心はまだまだ低い。説明不足を率直に認め、「1年延期」とした県教育長の判断は賢明だといえ、今後の県教委の対応を注目したい。 (山田)
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