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2010年9月29日水曜日

頼りない民主党へⅡ

 尖閣諸島近海での漁船衝突事故を巡る中国人船長の釈放に、菅首相や仙谷官房長官らは「司法の判断」としていたが、誰が見ても「政府の介入」があったのは明らかであり、極めて残念である。
 那覇地検の鈴木亨次席検事は24日の記者会見で「わが国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上被疑者の身柄拘束を継続し、捜査を続けることは相当でないと判断した」と、処分保留で釈放した理由を読み上げた。政治的方針を司法の立場の人間が言及することは異様だが、これは政治介入があったことを示しているといえ、司法側が抗議の意味を込めた発言であったとの見方もできよう。
 中国人船長の釈放を受け、民主党政権が中国の圧力に屈したということは言わずもがなだが、いかに国家主権への意識が低いのかを露呈させた事案でもあった。
 世界需要の9割を中国が生産するレアアース(希土類)の対日禁輸、ビザ用件の緩和で増加を見込んでいた中国人観光客の訪日自粛要請、日本人学生との交流事業中止、閣僚級会談の中止、フジタ社員の拘束など、中国はあらゆる報復措置をとった。しかし、日本の領海で公務執行妨害の疑いで自国民が逮捕されたのだから、中国の報復は理不尽極まりなく、ただ単に狂乱しただけだといえる。
 問題は中国のヤクザ的な脅しに屈した民主党政権であり、「普通」の国家なら、領海を侵され、そこで巡視船に衝突された訳だから、国内法に則り裁くであろう。また資源が確保できないことによる経済界への打撃、観光客流入禁止などによる損失よりも国の主権を重視するはずだ。
 民主党の松原仁衆院議員らは「中国の圧力に屈した」などと発言し、事実上の政府の決定に批判していた。民主党内にも「まとも」な議員が少数だがいるのは唯一の救いだといえるが、今回の事案で民主党政権を完全に見限った国民は少なくない。小生もこのまま民主党政権が続けば、この国の礎は崩壊の方向を辿ると確信している。
 政府には、中国頼りの経済政策からの脱却や、尖閣諸島の防衛強化などを強く求めたいが、政治主導もダメ、安全保障もダメ、外交もダメな民主党が、国を「正しい」方向に進めることができるはずがない。そろそろ国民は民主党に対し、政権を返上するか、解体することを真剣に求める時期に来ているのではなかろうか。  【山田貴之】

予約型乗合タクシー「愛のりタクシー」甲良・豊郷・愛荘でも運行開始、1市4町で15路線

 予約型乗合タクシー「愛のりタクシー」が27日から、甲良、豊郷、愛荘の各町でも運行が始まり、同日、豊郷小学校旧校舎群で出発式があった。すでに導入済みの鳥居本や稲枝地区などでも路線が一部延伸した。
 乗合タクシーは、近江タクシーに乗車予定時間を予約し、指定の停留所から目的地まで乗車。帰りも予約のうえで停留所から帰路につく。途中、ほかの利用者も「相乗り」してくる場合もある。利用者の減少で路線バスの廃止が相次いでいる中で、お年寄りらの足の確保として期待されている。
 彦根市内では平成20年10月に鳥居本と稲枝で、21年11月には河瀬エリアで運行が開始。多賀町も昨年10月に導入している。彦愛犬の行政・企業・団体で組織の「湖東圏域公共交通活性化協議会」は、湖東定住自立圏における公共交通システムの整備の一環で、3町を含めて乗合タクシーを運行することにした。従来の鳥居本や稲枝など彦根8路線、多賀3路線が延伸されるほか、新規路線として4路線が加わり、計15路線を設けた。全路線の停留所は約350カ所になる。
 料金は距離に応じ一人400~1000円。協議会では「病院や駅などへ多くの人に利用してほしい」としている。
 27日の出発式では、湖東圏域公共交通活性化協議会会長の松田一義彦根市副市長が「公共交通の空白地域の解消に期待している」とあいさつ。ひこにゃんとたがゆいちゃんらによるテープカットが行われた後、愛のりタクシーが出発した。

2010年9月28日火曜日

彦根・西清崎の休耕田で牛2頭放牧

 彦根市西清崎町の約40㌃の休耕田に、牛2頭が放牧されており、のんびりと草を食べる光景を見ることができる。
 遊休農地の解消と、家畜と触れ合う機会の提供を目的に、県が平成13年から県内各地で放牧。牛が歩き回って草を食べることで、「草刈り」をしてくれるメリットもある。
 西清崎町に放牧されている牛は、県畜産技術振興センター(日野町)所有の雌の14歳と16歳で、いずれも妊娠中。24日にセンターからトラックで運ばれ、休耕田に放たれると、牛たちは草むらめがけて一目散に突進し、もぐもぐと草を食べていた。
 放牧は10月8日までで、普段は地元の西清崎町自治会の人たちがエサや水をやる。放牧地の回りは電気柵で囲まれているため、見学時は注意が必要。

彦根市子どもセンター 来館200万人到達

 彦根市子どもセンター(日夏町)で26日、来館者200万人を到達した記念式典があった。
 センターは市政50周年を記念し平成元年4月7日に開館、20年度からは地域子育て支援センターも併設した。100万人目は12年5月4日。今年8月31日時点の1日平均の利用者は約220人。
 200万人目となったのは、開出今町の松林利和さん(60)・洋子さん(55)夫妻と、孫の大谷芽愛(めあ)ちゃん(1)。
 記念式典では松林さんらがくす玉を割った後、ひこにゃんから記念品のぬいぐるみが贈られ、ひこにゃんと一緒に記念撮影に応じていた。
 10数年ぶりに訪れたという松林さんは「回りの環境も変わって感動しました。これからも孫を連れて遊びに来たい」と話していた。

2010年9月25日土曜日

甲良養護学校・村田茉央さんの個展、七曲り通りの技の駅「七曲り三軒茶屋」で

 滋賀県立甲良養護学校高等部2年生の村田茉央さん(17)=野瀬町=の初の個展「むらた まおの世界展『17歳の軌跡』」が23日から、七曲り通りの技の駅「七曲り三軒茶屋」(芹中町)で開かれている。
 茉央さんは発達障害がある中、南中学生時代から絵を描き始めた。昨年からは米原市の美術教室「アートランドミネシマ」に通い始めた。想像と現実をつなげた独特の作品もあり、母親の多恵子さん(41)は「茉央の感性が表れた優しい作品ばかりだと思います」と話している。
 展示作品は、愛知川町のれんアートミュージアムでの入賞作や、ヒマワリ、アニメの登場人物、静物など25点。
 茉央さんは「絵を描くのはとても楽しい。たくさんの人に見てもらいたい」と来場を呼びかけている。開館は午前9時~午後4時、26日まで。入場無料。展示会場の問い合わせは「七曲り三軒茶屋」℡0749(20)2350へ。

寺村晴雄さん日本画展始まる、銀座・コジマビルのギャラリー化第1弾

 彦根市芹川町の寺村晴雄さん(81)の日本画展が、24日からコジマビル1階(銀座町)で開かれている。
 「晩秋の風物詩」をテーマに、湖北の晩秋・竹生島とヨシ、彦根城の見える風景、野の花、秋の静物―の4分野の作品計20点を展示。山が削られる前の伊吹山、竹生島を背景に琵琶湖に生えるヨシ、城西小学校の屋上から見た彦根城と城下のほか、延暦寺の山門の作品も。
 花や静物は浮き出て、風景は奥行きのある日本画独特の作法で描かれた大作ばかり。寺村さんの講話が25日と10月2日の各日午後2時~ある。開館は午前10時~午後6時、10月3日まで。入場無料。駐車場は平和堂銀座店に、チケット支給。
銀座活性でギャラリーオープン
 彦根市銀座町のコジマビル1階がギャラリー化されることになり、その第1弾として寺村晴雄さんの日本画展が始まった。
 オーナーの小島充子(あつこ)さん(56)が銀座商店街の活性化に貢献しようと、空店舗だった約73平方㍍のエリアを芸術展の会場にすることに。小島さんは「長年の夢が叶うと思うとうれしい。色々な作家の皆さんとの出会いも楽しみ」と話している。

2010年9月24日金曜日

中国のヤクザ外交に屈するな

 日本の領土・尖閣諸島の近海で、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突し船長が逮捕された事件をめぐり、中国の温家宝首相が21日、「不法拘留中の中国人船長を即時・無条件で釈放することを求める」と発言した。このような妄言に、日本政府は絶対に応えるべきではなく、船長を起訴し法の裁きを受けさせなければならない。
 事件後、中国国内では日本大使館や日本人学校などでデモや嫌がらせが相次ぎ、閣僚級の会談中止、日本の人気グループのコンサート延期、日本からの学生受け入れの中止なども中国側の一方的な要求で行われている。
 また中国政府の観光当局は22日、訪日旅行の募集や宣伝を自粛するよう、中国国内の旅行業界に要請したという。滋賀県内にも影響が及び、長浜市内のホテルでは約1500人分の宿泊がキャンセルされた。
 自己の主張をごり押しするために、あらゆる嫌がらせや脅しをかけ、それに従わせようとする様は、いかにもヤクザ的で、社会主義国特有の下品さがあるが、これは国家間の主権の問題である。
 日本の領土を侵し、船舶に衝突するという罪を犯したのだから、国内法に則り粛々と司法手続きを進めるのは当然である。菅首相や仙谷官房長官らの発言を聞いていると、その国家主権への意識の低さに驚きを隠せないが、不当な圧力に屈すれば、貪婪な中国のことだから、尖閣諸島を領土問題化にしようと、次なる策を企むに違いない。
 中国のヤクザ外交に屈することがない、日本政府の断固とした対応を強く求めたい。【山田貴之】(9月23日)

囲碁界の日韓トップ棋士 山城宏九段VS劉昌赫(ユ・チャンヒョク)九段、玄宮園で対局10月5日

 日韓の囲碁のトップ棋士による対局が10月5日午後1時半~、玄宮園で開かれる。
 朝鮮通信使ゆかりの地・彦根で日韓の文化交流を深めようと、NPO法人暮らしと耐震協議会理事長の木谷正道さんらによる「『21世紀の朝鮮通信使』実行委員会」が企画。二度の王冠戦4連覇を成し遂げた山城宏九段=写真右=と、韓国の超大物棋士と称される劉昌赫(ユ・チャンヒョク)九段を招いた。
 午後1時半~対局と大盤解説。見学無料だが、入園料必要。当日会場へ。午後4時半~は花しょうぶ通り商店街でプロ棋士と交流会、参加費3000円、交流会の申し込みは30日までに市観光振興課℡0749(30)6120へ。

2010年9月23日木曜日

大阪大生の無料法律相談会 ひこね燦ぱれすで、「真摯にお答えします」

 大阪大学法学部の学生たちによる無料法律相談会が25日に、ひこね燦ぱれす(小泉町)で行われる。弁護士や教授らも付き添っており、学生たちは「身近な法律問題について気軽に相談に来てほしい」と来場を呼びかけている。
 相談の対象は、相続、借地借家、隣地所有者との関係、不動産売買、交通事故、消費生活トラブルなど民事一般(税金問題、行政事件、刑事事件などは除く)。
 相談相手は阪大法律相談部の学生。来場者から相談を受けた内容について、別室に控えた教授やOBの弁護士からアドバイスを受けた後、回答するという形式。
 受付時間は午前10時~午後3時。同時に10件程度の対応が可能だが、相談が多い場合は早めに受付を終了。関連書類(コピー可)があれば持参。秘密厳守。当日会場へ。
 部員で3回生の北野彩佳さん(21)は「どんなささいな事でも結構ですので、気軽に相談にきてください。真摯に丁寧にお答えしたいと思います」と話している。

彦根市美術展覧会ひこね市文化プラザで、滋賀彦根新聞社は小田柿弘子さん洋画「町家(花しょうぶ通り)」

 彦根市美術展覧会が26日までひこね市文化プラザで開かれている。滋賀彦根新聞社は12日の審査会で、河原1丁目の小田柿弘子さんの洋画「町家(花しょうぶ通り)」=写真=を滋賀彦根新聞社賞に選んだ。
 日本画、洋画、彫刻、美術工芸、書、写真の部に511点の出品があり、そのうち市展賞6、特選26を含む405点を展示。今年度から設置のヤングアーティスト賞に選ばれた、高校生の高橋優香(ゆか)さんの書も。
 25日には、午前9時10分~ひこね第九オーケストラ低音五重奏アンサンブルのコンサート、9時40分~表彰式、10時50分~マンドリン合奏団・アンサンブルひこねの演奏、11時10分~作品の講評会もある。開館は午前9時半~午後6時(25日は7時、26日は5時まで)。入場無料。

永源寺で彦根藩四代目・井伊直興公の霊廟10年ぶり公開、現当主十八代・直岳さんも初参拝

 永源寺(東近江市)にある彦根藩四代目当主・井伊直興公の霊廟が19日、10年ぶりに公開され、現当主で十八代・直岳さんも参拝に訪れた。
 直興は信仰心が厚い当主として知られており、当時の永源寺住職だった南嶺慧詢(なんれいえじゅん)に師事。本人の遺言により、死後、永源寺に霊廟が築かれた。平成20年3月には、清凉寺(古沢町)、東京・豪徳寺と共に、国の重要史跡に指定されている。
 えいげんじ観光ボランティアガイド協会らが彦根と永源寺との関わりを知ってもらおうと、イベントを企画し、その中で直興公の霊廟の公開が実現。当日は本堂で「井伊家法要」が営まれ、歴代十七当主の供養をした後、直興公の霊廟に移り、直岳さんらが墓前で手を合わせた。
 直興公の霊廟への当主による公式参拝は、十四代・直憲公が明治16年(1883)に訪れて以降だといい、それ以来の当主による参拝となった直岳さんは「初めての参拝で、ようやく来られたという思いで手を合わせた」と話していた。
 当日は、ひこにゃんや赤備え甲冑隊を招いての写真撮影会、地元特産品の販売、抽選会も行われ、地元や彦根からの来訪者で賑わっていた。

2010年9月22日水曜日

秋の全国交通安全運動の初日 ビバシティでゆるキャラ街頭啓発、とびだしくんも初登場

 ビバシティ彦根では、秋の全国交通安全運動の初日となった21日、運動の周知を目的に、ゆるキャラたちによる街頭啓発活動が行われ、県内での交通安全をPRするキャラ「とびだしくん」(本名・飛出とび太)も初登場した。
 啓発活動には彦根交通安全協会員や彦根署員ら約30人が参加。キャラクターは、いしだみつにゃん、しまさこにゃん、カモンちゃん、やちにゃん、ゑびすくんなど9体。東近江市の住民らで組織の団体「mahorova(マホロバ)」が飛び出し坊やをイメージして考案した、とびだしくんも着ぐるみデビューを果たした。
 ゆるキャラたちは、来店した子どもたちに愛嬌を振る舞いながら、チャイルドシートの着用を呼びかけるマスコットを手渡し、交通安全を呼びかけた。

折り鶴渡して「交通安全」願う、みどり幼稚園園児が事業所訪問

 21日から始まった秋の全国交通安全運動に合わせて、彦根市川瀬馬場町のみどり幼稚園(野村郁雄園長)の園児たちが17日、市内の企業や団体を訪れ、交通安全を呼びかけた。
 同園では、地域の社員や市民に交通安全への意識を持ってもらうと共に、園児たちにも交通ルールを守る意識を高めさせようと、毎年この時期に近くの事業所を訪問。店内に飾ってもらおうと、園児たちが短冊付きの折り鶴を渡している。
 今年は、年中組の園児89人が平和堂日夏店とJR河瀬駅に分かれ、「交通ルールを守りましょう」などと書かれた短冊と折り鶴をセットにして、来店者や利用者に手渡した。
 年長組の117人は3グループに分かれ、近江鉄道彦根バス営業所やJA東びわこなど14事業所を訪問。大きな折り鶴や小さな折り鶴を渡し、交通安全を呼びかけていた。

2010年9月18日土曜日

中山道ウォーキングか体験・講座の受講、「秋の一日まるごと中山道! 中山道ウォーク&湖東ふるさと塾」

 高宮~愛知川間のウォーキングと、高宮・豊郷・愛知川でさまざまな塾を開講するイベント「秋の一日まるごと中山道! 中山道ウォーク&湖東ふるさと塾」が26日に開かれる。
 中山道ウォークのスタート地点は、高宮地域文化センターか豊郷小旧校舎群か愛知川びんてまり館。区間約9㌔の歴史遺産や寺院など12カ所のチェックポイントを回ってオリジナル木製通行手形兼スタンプ帳=写真=に印を押す。後日、巡ることも可。参加記念は中山道ウォークマップ。参加無料。受付は午前9時~午後1時、当日各会場へ。
 湖東ふるさと塾の会場も同じ3カ所で塾の内容は次の通り。
 ▽高宮地域文化センター=①午前10時半~近江鉄道の初期の沿線絵地図を読み解くをテーマに講座・無料②午後1時半~高宮布についての寸劇・無料、午後2時半~近江上布を使って小物作りと機織り体験・1000円。
 ▽豊郷小旧校舎群=①午前10時~湖東焼でパスタ皿作り・2000円②午後2時~高宮・豊郷・愛知川の近江商人について講座・無料。
 ▽愛知川びんてまり館=①午前10時~当時の旅日記から高宮・鳥居本・愛知川の宿場町を学ぶ講座・無料②午後2時~びん細工手まりの歴史説明と実演見学と少しの体験・600円。
 午後4時半~豊郷小旧校舎群では、各会場で参加者に布に押してもらった手形を組み合わせての絵をつり下げるイベントも。
 近江上布の小物作り、湖東焼体験、びん細工手まり講座は申し込みが必要。先着順。申し込みはメール(info@hikonejc.jp)か平日に彦根青年会議所℡0749(22)7522へ。

県立歴史博物館の設置計画 彦根が武村正義知事時代から要望も実現せず

 彦根市に県立歴史博物館を設置する計画があることがわかった。
 市は、武村正義知事時代の昭和54年2月22日に、琵琶湖東北部流域下水道浄化センター(松原町)の設置を受け入れる条件の一つに、「彦根に県立博物館を早期に設置すること」と要望。これに対して、県は「近世の歴史博物館を設置される場合には、文化行政の立場より別途協議する」と回答したという。
 また当時を知る市職員によると、県教委が自然系と歴史系の博物館の建設を検討し、歴史系の候補地に彦根があがっていたという。
 その後も市は歴代の知事や教育長に要望書を提出。さきの県立荒神山少年自然の家の管理を受け入れる協議の際にも歴史博物館の設置を求めてきた。市によると、末松史彦教育長も今年3月に「県内に歴史博物館は不可欠。(休館となっている県立琵琶湖文化館の)代替地を含め2年後までには方針を出したい」と話した。
 市は今後も、彦根城や城下町などの歴史資産、彦根城博物館など施設、大名文化ゆかりの貴重な資料などとの相乗効果が期待されるとして、歴史博物館設置を強く求めるとしている。
県「財政難で難しい」
 一方で県教委文化財保護課の担当者は、当時の資料が残っていないとしたうえで「要望には応えたいが、財政難で建設を検討するには至っていない」としている。

2010年9月17日金曜日

第1回国勢調査の任命書など寄贈、彦根の疋田信一さん 祖父が調査員

 彦根市三津屋町の疋田信一(のぶかず)さん(75)がこのほど、90年前の大正9年(1920)に行われた第1回目の国勢調査に関する貴重品を市に寄贈。市は16日から庁舎1階ロビーで展示している。
 第1回目の国勢調査は、原敬内閣のもと「文明国の仲間入り」を合い言葉に行われ、内閣から任命された約26万人の調査員が調査をした。
 疋田さんの祖父・末次郎さんも調査員の一人で、国からは任命書や記念章、記念メダル、茶托の贈呈を受けた。疋田さんは自宅の蔵を整理中にそれらを見つけ、役立ててもらおうと市に寄贈した。展示は10月25日まで。

2010年9月15日水曜日

「ひこね市民手づくり第九演奏会」合唱団員募集、「初心者も歓迎」

 12月19日に開かれる「ひこね市民手づくり第九演奏会」の合唱団(田中武団長)の練習が先月末から始まった。合唱団では団員を今月末まで募集している。
 平成10年に実行委員会が組織されて以降、毎年、年末に合唱団とオーケストラの総勢150人前後が演奏会を開催。演奏会後、解散し、新たな会員を募っている。13回目の今年はベートヴェン交響曲第九「歓喜」、ボロディン作曲の「韃靼(だったん)人の踊り」を披露する。
 合唱団には10代から80代までの男女75人が所属しているが、100人を目標にしている。プロの講師をそろえており、田中団長は「歌がうまい、下手関係なく、初心者にも丁寧に教えます。学生生活の思い出作りにもなるのでは」と参加を呼びかけている。
 練習日は毎週日曜午後6時半~9時。参加費は大人5000円、中高大生2500円。見学も可。募集は9月末まで。問い合わせはひこね市文化プラザ内の第九演奏会事務局℡0749(26)8601へ。

「高校生ものづくりコンテスト全国大会」に彦根工業高の中川雄太君と岡田一成君が出場

 工業教育の甲子園といわれる「高校生ものづくりコンテスト全国大会」に、彦根工業高校3年生の中川雄太君(17)=長浜市地福寺町・写真右=と、2年生の岡田一成(かずなり)君(17)=彦根市宇尾町・写真左=が出場する。
 大会では、施盤作業、自動車整備、電気工事、電子回路組立、化学分析、木材加工、測量の7部門があり、それぞれに設けられた課題について「ものづくり」をし、各部門で近畿などブロックを勝ち上がった9人(施盤作業のみ18人)+開催地1人(同2人)がその技能を競う。今年で10回目だが、これまでに県内からは4人(うち彦工3人)が出ている。
 施盤作業の中川君は昨年9月の県予選を勝ち抜き、今年8月の近畿で準優勝し全国大会を決めた。校内実習場のほか、本番仕様の機械がある和歌山工業高やヤンマー長浜工場に出向いて練習に励んでいる。中川君は「何とかトップファイブには入りたい」と意気込んでいる。
 木材加工の岡田君は6月の県予選、9月の近畿予選を共に優勝し近畿代表に。大会まで部活を休んで毎日、練習をするといい、「全体的な精度をもっと上げたい」と話している。大会は施盤作業が茨城県日立市の日立工業専修学校で、木材加工が土浦市の筑波研究学園専門学校で10月17日に行われる。

2010年9月14日火曜日

環境省特定外来生物・ナガエツルノゲイトウの駆除作業、彦根の神上沼でボランティア募集

 彦根市は20日午前9時半~行う、稲枝地区(湖岸)の神上沼に生えているナガエツルノゲイトウ(写真)=環境省特定外来生物=の駆除作業のボランティアを募集している。
 神上沼では、ナガエツルノゲイトウが沼全体の約9330平方㍍を覆い尽くしたため、昨年10月17日から12月11日まで駆除作業が行われたが、最近になり、再び、侵食が進んでいる。
 当日は陸地と水際の駆除をする。持ち物は長靴、雨具、濡れても良い服装で。ゴム手袋は市で用意。小雨決行。集合時間は午前9時。申し込みは市農林水産課℡0749(30)6118へ。

2010年9月13日月曜日

カロム日本選手権10月17日 滋賀大学で、カロム王子も着ぐるみで初登場

 カロム日本選手権大会が10月17日に、滋賀大学・体育館で開かれる。今年考案されたキャラクター「カロム王子」=写真=の着ぐるみも初登場する。
 クラスはシングルスが5歳~小学3年以下・小学4年以上・中学生以上・60歳以上の各部門、ダブルスが小学生以下・中学生以上と小学生以下・中学生以上・60歳以上の各ペア。
 中学生以上1人1000円(カロム協会会員800円)、ダブルス・シングルス出場者1500円(同1200円)。小学以下600円(同400円)、同1000円(同700円)。
 カロム盤がプレゼントされる難攻不落のカロム五番勝負、オリジナル・ストライカー工房も。「カロム王子」は彦根西高生が制作しており、当日はダブルスの開会式(午前9時35分~)などに登場する。
 申し込みは今月27日までに彦根青年会議所℡0749(22)7522かメール(info@hikonejc.jp)へ。振り込み用チラシは市内郵便局や主な金融機関にある。

2010年9月11日土曜日

民主党代表選 彦根の党員・サポーターの県議・市議、菅6・小沢1・未定1

 菅直人首相と小沢一郎前幹事長が立候補している民主党代表選(14日投開票)は、鍵を握る党員・サポーター票の行方に注目が集まっている。彦根市内の党員・サポーターのうち、県議と市議に投票先を聞いた(以下、敬称略)。
 県選出の国会議員のうち、滋賀2区の衆院議員・田島一成、参院議員の林久美子と徳永久志は菅支持を表明している(4日付けで掲載)。
 彦根選出県議の中沢啓子と江畑弥八郎は、小沢のリーダーシップや政策を評価する一方、「3カ月で首相が変わるのはおかしい」として菅に投票。
 党員市議の辻真理子、八木嘉之、矢吹安子のうち、辻は「小沢さんは政治とカネの問題について釈然とした説明がない。菅内閣は真剣に取り組んでいる」として菅を支持。
 一方で矢吹は「これだけ厳しい経済状況を乗り越えるには、小沢さんの豪腕が必要」「政治とカネの問題に関しては、十分説明責任を果たしている。ここは小沢さんにかけてみたい」と、小沢に投票するとしている。八木は未定。
 サポーターの赤井康彦、安藤博、小川喜三郎の3市議は、いずれも菅に投票。まとめると県議2人と市議6人のうち、6人が菅、1人が小沢、1人が未定となる。

アニメ「けいおん!!」記念乗車券・入場券第2弾を発売、近江鉄道

 近江鉄道は11日から、旧豊郷小学校を舞台にしたTVアニメ「けいおん!!」の記念乗車券と入場券の第2弾を発売する。
 7月28日に限定2000セットで発売した第1弾はその日のうちに売り切れる人気で、再販売の要望が寄せられていたという。
 豊郷駅~米原駅・大学前・京セラ前区間までの片道乗車券と豊郷駅の入場券、米原駅の入場券のセット。800円。購入者には第1弾のレプリカ(複製)も付いてくる。販売場所は米原、彦根、八日市、貴生川、近江八幡の各駅と豊郷町観光協会で。今月25日まで。通信販売の問い合わせは同社鉄道部℡0749(22)3303へ。

2010年9月10日金曜日

多賀大社で古知古知相撲 東方「多賀の里」が「寿命ケ石」に勝利、たがゆいちゃんも応援

 多賀大社で9日、恒例の古知古知(こちこち)相撲が奉納され、まわし姿の2人の青年が拝殿前に設けられた直径約4㍍の「土俵」で相撲をとった。土俵の回りには応援に駆けつけた多賀のキャラクター・たがゆいちゃんや大勢の参拝客が囲み、1戦ごとに大きな歓声が起こっていた。
 多賀大社は重陽の節句(9月9日)に、豊作を感謝する祭り「古例祭」を営んでいる。祭り後半に行われる古知古知相撲は、同大社の神主が伊吹山の八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したという故事にちなんで江戸時代から続けられている。現在はその年の農作物の出来を占い、東方の「力士」が勝つと豊作になると言われている。
 今年は、共に氏子の戸崎達矢さん(21)が「多賀の里」、竹内智也さん(22)が「寿命ケ石」のしこ名を付け、東西に分かれ三番勝負。1勝1敗で迎えた最終戦、東方の戸崎さんが上手投げで竹内さんを倒し勝利した。

2010年9月9日木曜日

映画「桜田門外ノ変」・佐藤純彌監督 井伊直弼の功績たたえる、井伊家菩提寺・清凉寺にも訪問

 10月16日から全国ロードショーされる映画「桜田門外ノ変」の佐藤純彌監督が3日、ひこね市文化プラザで講演。井伊直弼の人物像や開国の功績をたたえた。
 佐藤監督は桜田門外の変について、ペリー率いる黒船が来航した嘉永6年(1853)の7年後に桜田門外の変が起こり、その7年後に大政奉還が行われていることをあげ、「(桜田門外の変は)大転換期の大きな事件だった」と解説。
 井伊直弼の印象については、「一番感じたのは断行、そして決断の『断』だ」とし、勅許を得ずに開国の条約調印をしたことに「やむを得なかったという思いがあったのでは」と説明。「直弼の決断のお陰で開国を果たせた。歴史的にみれば間違ってはいなかった」と、直弼の功績を賞賛した。
 現代の政治家たちとも比べ、「今の時代は(政策が)何も決まらないが、直弼には強烈なリーダーシップがあった」「江戸に上る前にはすでに遺書を書いており、死を覚悟しながら上京したのだろう」と述べた。
 佐藤監督は講演後の記者会見で彦根の印象について、当初は彦根城が井伊家の城だとは知らなかったことを明かしたうえで、「彦根城はとてもすばらしいと思う」と話した。映画については「見ていただいて何か感じることがあると思うので、それと現在とがどのように関わっているのかを判断してほしい」と語った。
清凉寺で完成報告
 佐藤監督は講演前に、井伊家の菩提所である清凉寺(古沢町)に訪問。本堂で焼香をあげた後、一般公開されていない直弼などの位牌がある場所に行き、映画の完成を報告した。

綾南町立滝宮小学校元校長・竹下和男さん「『弁当の日』で親子に会話」、「負の連鎖を断ち切ろう」

 子どもに弁当をつくらせて登校させる取り組みを進めている元・綾南町立滝宮小学校(香川県)校長・竹下和男さんの講演会が4日、彦根市甘呂町の南地区公民館で開かれた。
 竹下さんは同小での校長時代に、小学5・6年生に月1回・年5回、「弁当の日」を設け、自分たちだけで弁当を作らせる取り組みを始めている。彦根での講演会は食や環境、子育てについて、毎週金曜日に子どもセンター(日夏町)で話し合っている団体「ぴゅあくらぶ みつば」が主催し、「『弁当の日』で子どもが変わる」をテーマに行われた。
 竹下さんは、子どもが出来ても遊べる時間がなくなるため後悔する親がいることをあげ、「子どもたちが大変な状況にいるのは大人たちのせい。その大人たちが変われないのなら、子どもたちを変えなければ」「負の連鎖を止めることができるのは子どもたちだけだ」と力説。
 親子の会話が少ないと、セックスの初体験が早まることや家族の絆が生まれないとする持論を展開したうえで、「子どもに弁当を作らせることで、衣食住に関する親子の会話が自然と生まれてくる」と解説。「子どもが作った弁当を食べてやって褒めると子どもは喜ぶ。成長しているという思いを伝えてやることが重要。子どもは大人になりたがっている」とアドバイスした。

2010年9月8日水曜日

高宮町・丁田遺跡で縄文時代最高級の装身具「翡翠大珠」県内初めて出土、湖東地域が北陸と近畿の窓口?

 彦根市教育委員会文化財課は6日、高宮町の丁田(ちょうだ)遺跡で、縄文時代の最高級の装身具・翡翠大珠(ひすいたいしゅ)が出土したと発表。翡翠大珠の発見は県内初、近畿でも天理市の布留(ふる)遺跡など3カ所のみで、極めて貴重。
 丁田遺跡は、ビバシティ彦根の東側で宅地開発が行われている東西約500㍍・南北約200㍍のエリア。平成20年の第一次調査では平安時代の遺構が発見。今回は遺跡内の約1296平方㍍で、昨年12月21日~今年2月26日に発掘調査が行われ、縄文時代中期の竪穴建物跡、埋設土器、石皿が出土した。
 発見された翡翠大珠は、長さ4・05㌢×横2・17㌢×最大厚さ1・28㌢、重さ約20㌘。土器が埋設された遺構の中にあった。翡翠の原産地は北陸地方を中心に東日本に多いことから、縄文時代中期末に北陸からもたらされた可能性が高く、近畿地方の集団が湖東地域を窓口として東日本と交易をしていたことも想定できる。
 埋設土器の出土は、特殊な祭祀を兼ねていると考えられており、土器から幼児の骨が見つかった遺跡もあるため、乳幼児の墓だった可能性もあるという。
 考古学が専門の京都大学大学院の泉拓良(たくら)教授は「翡翠の中でも大珠は、縄文時代で最も高級なもの。丁田遺跡が非常に重要な場所だったことがわかる貴重な発見だといえる」と話している。

彦根城のオニバスのキャラクター「彦鬼くん」、着ぐるみ初登場に「かわいい」

 彦根城内のオニバスの保存活動をしている団体「オニバスプロジェクト」(渡邊輝世代表)のキャラクター「彦鬼(げんき)くん」の着ぐるみが5日、オニバスが生育する金亀公園に初登場。周囲は彦鬼くんを見に来た家族連れらで賑わっていた。
 彦鬼くんは昨年7月に、ラジオパーソナリティ・山本ひまりさんのデザインをもとに考案。井伊家をイメージし赤鬼を基調に、頭がオニバスの葉っぱに角が生えた形で、手に花を持っている。
 彦鬼くんは2回に分けて10分ずつ登場。記念撮影に応じたり、子どもたちから触られたりして人気者だった。会場にはオニバスを紹介するパネル展も開催され、来場者がオニバスについて学んでいた。
 新海町から来た小島美結さん(9)と晟央君(6)の兄姉は「彦鬼くんはとてもかわいかった。オニバスも初めてみて勉強になった」と話していた。

2010年9月7日火曜日

彦根城世界遺産登録推進委員会 ユネスコへの推薦書の骨子案作成へ協議

 国がユネスコ(国際連合教育科学文化機関)に提出する推薦書の骨子案作成に向けた「彦根城世界遺産登録推進委員会」(会長・西川幸治滋賀県立大学名誉教授、委員9人)の会議が3日、彦根市役所で開かれ、事前にまとめられた報告書をもとに協議が行われた。
 委員会下部組織のワーキンググループ(6人)が昨年6月から先月まで12回の会合を重ねた。報告書では、すでに世界遺産登録されている姫路城との差異について、▽彦根城が江戸幕府の天下統一をはかるための軍事拠点として短期間で築かれたこと▽外堀の外側に整備された武家地や町人地など城下町の遺構が残っていること―を紹介。そのうえで、天守をはじめとする城郭施設、御殿と庭園、城下町という武家政権を象徴する遺構が総体として良好に残る日本で唯一の文化遺産だ―と位置づけている。
 推薦書作成にあたっての課題としては、▽彦根城博物館として復元され表向きがコンクリート造りになっている表御殿や、江戸時代と比べて規模が縮小した槻(けやき)御殿、松原下屋敷をどのように扱うか▽彦根城と城下町を世界史的意義にまで到達させることができるか▽日本イコモス国内委員会や国際会議などを招き、外部の専門家から意見を受ける必要があるのではないか―などをあげている。
 会議では、「萩市のように江戸時代の地図のままで彦根の街を歩けるのは一つのアドバンテージでは」、「彦根城博物館を大名文化の発信拠点とするように模様替えしてみては」などの意見が出た。
 骨子案は今年度中にまとめられる予定。

2010年9月5日日曜日

「中国人から見た日本人」聖泉大学の李艶教授、日本の自殺増と教育崩壊の原因指摘

 聖泉大学の李艶(り・えん)教授が1日、西地区公民館(彦根市本町)の福寿大学で、「中国人から見た日本人」をテーマに講演。日本の自殺者が多い原因や教育現場の崩壊を紹介した。
 李教授は、受講生に日中の違いをたずねたうえで、政治的仕組みや国民性、価値観などの違いをあげ、その理由について「文化の違いだ」と説明。「文化が、その国の人が共有する価値観を作り出す」と話した。
 また、中国人が目立つことや自己主張することを美徳としている一方、日本人は他人との調和を図る集団主義的文化を尊重していると解説。そのため、日本人は他人との関係を気にし、それが自殺につながる原因にもなっていると指摘した。
 日本の教育問題については、「ゆとり教育が日本の若者をおかしくした」とし、「ゆとりは大事だが、基本が出来ていないのにゆとり教育を行うのは逆行」「大学は遊びの場と化しており、大学では1年生のときに基礎教育をしている。子どもたちは被害者だ」と批判。そのうえで、中国の子どもたちは相当激しい競争の中におり、「教育に対する考え方に大きな違いがある」と述べた。

2010年9月4日土曜日

彦根東中・大橋悠依さん(彦根イトマン) ジュニアオリンピック・女子200㍍個人メドレーで優勝、背泳ぎと共に県記録も更新中

 彦根東中学校3年生の大橋悠依さん(14)が、先月30日まで東京辰巳国際水泳場で開かれていた「全国JOCジュニアオリンピック夏季水泳競技会」の女子・200㍍個人メドレーで見事、優勝した。またタイムは、100㍍と200㍍の背泳ぎを合わせ3部門とも、成人を入れて滋賀県の新記録を更新中だ。
 大橋さんは幼稚園のころから、古沢町の彦根イトマンスイミングスクールに通い、着々と泳ぎの腕をあげた。昨年11月に個人メドレーで県新記録を樹立。先月21日から23日まで広島であった全国中学校体育大会では、200㍍背泳ぎで2位、200㍍個人メドレーで3位となり、県の記録も更新した=写真はこの時の表彰状
 ジュニアオリンピックでは、200㍍個人メドレーで優勝し、100㍍背泳ぎでも3位で、いずれも再び県記録を上回るなど、大会を重ねるたびに記録を更新している。今月中旬の千葉国体には高校1年生と一緒の部門に出場予定で、100㍍背泳ぎと200㍍個人メドレーにエントリー。「いずれの競技でも決勝へ進みたい」と意気込んでいる。
 将来の目標について、大橋さんは「(オリンピック日本代表の)入江陵介選手のようにきれいな泳ぎ方になって、オリンピックに出場したい」と話している。(記者・山田貴之)

菅直人首相か小沢一郎前幹事長か 滋賀県選出国会議員に聞く 田島・林・徳永=菅、奥村=小沢、川端・三日月=未定

 1日に告示された民主党代表選には、再選を目指す菅直人首相と小沢一郎前幹事長が立候補し、14日の投開票に向けた論戦が始まった。同党の滋賀県選出の国会議員6人に、どちらの候補を支持しているのかを聞いた。
 菅首相支持を示したのは、2区の田島一成・環境副大臣と林久美子、徳永久志両参院議員。田島副大臣は「(小沢氏が)政治とカネの問題を抱えながら、首相を務めることはできない。就任してからたった3カ月で首相の交代は容認できない」と話している。
 小沢前幹事長には、4区の奥村展三衆院議員が支持をしている。
 1区の川端達夫・文部科学大臣と3区の三日月大造・国土交通副大臣は「両候補の政策を吟味したうえで決めたい」としている。

2010年9月3日金曜日

琵琶湖の沖に流された男児救助 長浜の楢原弘孝さんに感謝状

 彦根市消防本部は31日、琵琶湖の沖合に流された子どもを救助したとして、長浜市勝町の会社経営・楢原(ならはら)弘孝さん(45)に感謝状を贈った。
 同本部によると、8月11日午後5時20分ごろ、彦根市三津屋町の琵琶湖に友達とその母親と遊びに来ていた市内の男児(7)が、浮き輪を付けたまま沖合約150㍍に流され戻れなくなった。それを見た友達の母親が、会議のため彦根を訪れ車内で休んでいた楢原さんに助けを求めた。
 楢原さんは、あまり泳ぎが得意ではなかったが、無我夢中に衣服を脱ぎ捨て、浮き輪を借りて男児の所まで泳いで行き、男児が流されないよう水泳パンツをつかんで救助を待った。
 笠原恒夫消防長から感謝状と記念品を受け取った楢原さんは「自分の子どもと置きかえた時、助けに行かなければと思った。元気でいてくれて本当に良かった」と話していた。

芹谷ダム問題、有識者会議の中間とりまとめ案示し嘉田知事に治水対策案求める 芹川治水対策連絡協議会

 芹川治水対策連絡協議会会長の獅山市長と副会長の久保久良・多賀町長が1日、県庁を訪れ、建設中止が決まっている芹谷ダムを含む治水対策案の作成を求めた提言書を嘉田知事に提出した。これに対して、知事は相手をする姿勢を見せず、議論は平行線に終わった。
 提言書では、国交省の諮問機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が示した中間とりまとめ案で、ダム建設の検証は検討の場で学識経験者や関係住民などの意見を聞く―とされていることから、▽芹谷ダムについても検証の手続きを実施すること▽将来にわたって持続可能な治水案を早急に提示することを求めている。

2010年9月2日木曜日

オニバスプロジェクトのキャラクター「彦鬼くん」着ぐるみ初披露へ 金亀公園で

 彦根城内のオニバスの保存活動をしている団体「オニバスプロジェクト」(渡邊輝世代表)のキャラクター「彦鬼(げんき)くん」の着ぐるみが、5日午前9時半から11時まで、オニバスが生育する金亀公園付近に初登場する。
 彦鬼くんは、昨年7月に元・エフエムひこねのパーソナリティ・山本ひまりさんのデザインをもとに考案。井伊家の赤鬼を基調に、頭がオニバスの葉っぱに角が生えた形で、手に花を持っている。
 彦鬼くんが登場する金亀公園付近には、オニバスを紹介するパネル展も開催。着ぐるみは午前11時まで随時、登場する予定。

2010年9月1日水曜日

ひこにゃんファンクラブ 10月発足、対象は「ふるさと納税『みんなのひこにゃん応援事業』」5000円以上寄付者

 彦根市は30日、ひこにゃんファンクラブの発足日を10月にすると発表した。
 今や全国のゆるキャラの代表格となった、ひこにゃんの人気継続を目的に、今年4月にファンクラブの設立を発表していた。
 入会の条件は従来の方針通り、彦根市への「ふるさと納税『みんなのひこにゃん応援事業』」に5000円以上寄付した人。
 現在、寄付者へは彦根城など観光施設の年間パスポートが渡されているが、それとは別に新たなクラブ会員証を発行。ほかに会員限定のグッズ作製やファンの集いなども予定している。会員証は1年間を有効期限に毎年、新たなデザインになる。
 昨年度の「みんなのひこにゃん応援事業」への寄付は275件で、総額約190万円だった。市では「会員が集って、ひこにゃんと親しみ、楽しい時間を過ごせる場をつくっていきたい」としている。

炎天下の中、西中農園で生徒がトウモロコシ1000本収穫

 彦根市松原町の「西中農園」で30日、トウモロコシの収穫体験が行われ、最高気温35℃の炎天下の中、3年生90人(3クラス)が汗をぬぐいながら、懸命にもぎ取っていた。
 今年度から湖東定住自立圏の地産地消事業として、生産者と小中学生との交流を進めており、彦根市は松原町の約800平方㍍の耕作放棄地を借り受けて、西中農園にした。
 西中では、生徒たちが7月8日に400平方㍍にトウモロコシ、50平方㍍にポップコーンを植え付けていた。
 この日、生徒たちは、松原農業組合の人の指導を受けながら、トウモロコシを1本ずつ収穫。中には、そのまま食べる子もいて、「あま~い」と言いながらむしゃぶりついていた。収穫された約1000本は翌日の給食に使われた。残りの土地ではジャガイモを育て、12月に収穫予定。
 生徒の山田聡君(14)は「とても疲れた。こんな暑い中で農業をする人は大変だと思う」と話していた。

湖東市民討議会 彦愛犬の16人が提言、「行政は何のために働くのか」 住民の自立も

 彦愛犬の住民代表がまちづくりについて話し合う「湖東市民討議会」が29日、ひこね燦ぱれすで初めて開かれ、3人の情報提供者があげたテーマについて協議した。
 討議会は彦根青年会議所が主催。無作為に選ばれて参加した16人(彦根14人、愛荘2人)が4グループに分かれ、提案者のテーマについて話し合い、意見を発表した後、全員で投票するという方式で行われた。
 テーマのうち、元朝日新聞記者の堀川清さんは「住民と行政が互いに理解を深めるためには」と提言。これに対して一つのグループからは「住民は行政に要望するだけでなく、その要望がどのように反映されているのかを検証するべきだ」「行政は施策を住民がどのように捉えているのかを把握するべきだ」と提案。そのうえで「行政は誰のために、何のために働いているのかを頭に置く必要がある」と指摘し、「市民と行政が同じゴールに向かう姿勢が求められる」とまとめた。
 各テーマについての提言は彦根青年会議所がまとめ、11月の例会で一般公開した後、11月中に市に提出する。
討議会の継続を
 湖東市民討議会は、無作為に選んだ住民がまちづくりについて語り合い、提言するという画期的な取り組みである。
 ドイツの手法を参考に日本青年会議所が平成17年に国内で初めて開催し、各地に広まったとのことだが、住民主体のまちづくりの観点から高く評価できよう。彦根青年会議所では彦愛犬の1400人に参加を呼び掛けたはがきを送り、そのうち19人が参加の意思を示した(当日参加は16人)。
 当日の討議会では、ただ単に行政を責めたり、優遇を求めたり、誤解をしている意見も少なからずあったが、住民自らが市町を何とかしてやろうという意気は評価できる。
 行政任せの殿様文化がまだまだ残る彦根で、このような討議会が開催されたことは歓迎であり、参加した住民の皆さんには敬意を表するとともに、彦根青年会議所には、この討議会を継続していただくことを強く望みたい。 (山田)

万城目学さん彦根で講演 歴史討論では中央集権的・自虐的教科書を批判(戦国魂代表・鈴木智博さん)

 直木賞候補作家・万城目(まきめ)学さんの講演会「『プリンセス・トヨトミ』を語る」が29日、ひこね燦ぱれすで開かれ、約200人が来場。講演会後は、歴史ブーム仕掛け人らによるパネルディスカッションも行われ、現代の歴史教育の批判も繰り広げられた。
 「プリンセス・トヨトミ」は昨年発刊され、直木賞候補になり、来年初夏の映画化も決定。講演会は彦根・京都の有志で組織の関西復権プロジェクトが主催。NHK大津放送局キャスター・藤村周子さんが質問する形式で行われ、万城目さんは、作品紹介や、映画の撮影現場の舞台裏、子どものころ行った大阪城の思い出を話した。
 彦根など滋賀を舞台にし、小説すばるで連載中の作品「偉大なる、しゅららぼん」にもふれ、彦根には今回で5回訪れ、彦根駅前からレンタサイクルで、芹川沿いや湖岸、滋賀大などをまわったエピソードを紹介した。
鈴木智博さん「英雄を英雄と扱わず」
太田浩司さん「情報が中央集権化」
 講演会後は、藤村さんを司会に、戦国魂代表の鈴木智博さん、長浜歴史城博物館参事の太田浩司さん、佐和山城研究会代表の田附清子さんによるパネルディスカッションも開催。
 歴史ブームを広げる手法について、鈴木さんは「自虐的な教科書が多く、英雄を英雄として扱っていない。もっと評価すれば、武将の魅力はどんどん出てくる」と、現代の歴史教科書を批判。「地域の武将も山ほどおり、きちっと教科書で紹介すれば、勝手にまちの活性化につながるはずだ」と述べた。
 太田さんは「情報も中央集権化しており、住んでいる所が素晴らしいというように、日本人の価値観を転換させる必要がある」「教科書では江戸幕府よりも彦根藩を扱うことが大事で、この発想を変えないと、日本の将来はない。地方発の情報が求められる」と指摘した。