2011年4月17日日曜日

ベトちゃんドクちゃんのドクさん来日 彦根市立若葉小の「被爆桜」見学 双子の子らと

 ベトナムで結合双生児として生まれたベトちゃんドクちゃん(※)のグエン・ドクさん(30)が14日に来日。翌日には彦根を訪れ、彦根市立若葉小学校に育つ「被爆桜」などを見学した。
 若葉小は平成21年10月に、広島市の安田女子中学高校から原爆の被害を免れた被爆桜(2世)の苗木を譲り受け、当時の6年生が校庭に植樹。その活動を知った「ベトちゃんドクちゃんの発達を願う会」代表で滋賀大名誉教授の藤本文朗さん=京都市=が10月末に同校を訪れ、「生まれてくるドクさんの子どもに被爆桜を贈れないか」と提案。熱帯地方のベトナムでは桜が育たないため、藤本さん宅で、安田女子高校から送られた苗木が育てられてきた。
 また、藤本さんから若葉小の活動を聞いたドクさんは「桜が咲くころに子どもたちと一緒に見に行きたい」と要請。今回の来日が決まった。
 来日しているのは、ドクさん夫妻と、若葉小に被爆桜が植樹された10月に生まれた双子のフジ君(1)とサクラちゃん(1)、小児科医ら6人。14日に藤本さん宅に泊まり、翌日午前に通訳らを加えた8人で彦根を訪問。
被爆桜2輪咲く
ドクさん「奇跡」
 若葉小ではドクさんと6年生60人が2輪の花が咲いた被爆桜=写真=を囲み、児童代表の安居秀也君(11)が「ベトさん・ドクさん、双子のお子さん、そしてこの2輪の花と、何か関係がありそうな感じがします」とあいさつ。ドクさんが被爆桜に自分の名札をかけた。
 昨夏には広島平和記念公園内にある被爆アオギリ2世の種を譲り受けたため、5年生57人とドクさんが種を植えた。5年生が卒業するまでに、ドクさんが働いているホーチミン市内のツーズー病院へ送る予定だ。
 被爆桜が2輪の花を咲かせたことにドクさんは「とても不思議で、奇跡だといえる。私たち兄弟が生まれたのも奇跡だし、双子を授かったのも奇跡。世界の平和も奇跡が生まれることを願っている」と話した。ドクさんらは18日に帰国する。
 【ベトちゃん・ドクちゃん】1981年2月25日に下半身がつながった結合双生児として生まれる。ベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤の影響だとされる。88年にはホーチミン市内の病院で分離手術が行われ、ドクさんは中学校に進学したが、脳障害を負っていたベトさんは寝たきりの状態が続いた。ドクさんは2006年12月に結婚、ベトさんを介護していたが、翌年10月6日にベトさんが腎不全などで26歳で死去。ドクさんは09年10月25日に双子を授かった。現在はツーズー病院で働いている。

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