西村さんは金城小2年の時に父親の仕事の都合で札幌へ移住するまで彦根で過ごした。東京芸大時代に版画の世界に入り、大学院時代には2年間休学してイランに住みながら、中近東やギリシア、ソ連(当時)、インド、台湾など14カ国を旅した。帰国後は北海道を拠点に、国内外でコンクールへの出展や個展を開いている。
イランでの祈る時を含めて座る暮らしに親しみを感じ、以降「座る人」をテーマにした作品を主に描いている。具象画のほか、赤や黄、だいだい、黄緑、紫などさまざまな色を四角で描いて座る人の思いを表現した抽象画も制作してきた。
彦根での個展は、小学生時代の仲間との同窓会を機に「彦根の人たちにも見てほしい」との思いから。今年2月には、奥さんの伴子さん(59)と婚前時に訪れて以来、34年ぶりに来彦し市内のギャラリーを見学した。
彦根の印象について西村さんは「新しいものに変わっている場所もあるが、古風な感じは残っている。私の心の原風景はここにあると確認できた」と話していた。個展ではシルクスクリーン版画や銅版画、麻布にアクリル絵の具など5種類の方法で描いた具象画17点と抽象画22点を展示。開館は午前10時~午後5時、最終10日のみ午後4時半まで。期間中、西村さんは会場にいる。
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