金亀食堂の店主・谷澤賢治さんは神戸の洋食店で修業し、日本食堂(列車食堂)のコックを務め、帰郷後、橋本町に店をオープン。店はその後、土橋見附(芹橋2)、上御旗町(河原3)に移り、昭和40年代に銀座でサンテラスコンキとして平成11年ごろまで営業していた。
地域の課題を解決する活動をしている滋賀大学のサークル「ENACTAS(エナクタス)」では、金亀食堂のカレーの味を復活させようと企画。賢治さんの長男・一豊さん(日中戦争で戦死)が京都の都ホテルでフランス料理の修業をしていた際に記したノートの中に、金亀食堂のカレーのレシピが載っていたことから、学生たちが昨年6月と8月に試作品を製作。小麦粉とバターを使ってルーを作るというレシピで、食べることができる味にまで仕上げることができたという。
同サークルではこのカレーを常設メニューにしようと、湖東定住自立圏の地域創造事業を活用し審査会を計画。約5店舗の店主にルーと材料費1万円を渡した上で調理・トッピングをしてもらい、今月21日午前11時半~逓信舎で審査会を実施することにした。優勝者のレシピは逓信舎カフェで特別な時に提供される予定。
26日の試食会には約50人が訪れ、学生たちが作ったカレーを試食。市内の女性(39)は「バターの香りがあり、甘口の中にもしっかりとしたカレーのスパイスもきいていておいしかった」と話していた。
また賢治さんの娘にあたる谷澤幸子(さちこ)さん(79)と夫の盛(もり)さん(83)=いずれも河原3=も来場。「おいしいカレーを求める時代で、昔の作り方で学生たちが作ってくれたことに感謝しています。当時のカレーに近い味がしました」と話していた。
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