道路拡幅工事が行われている市道「立花船町線街路」(以下・立花線)で、開発対象の建物に文化財的に価値のある蔵や家屋などが含まれており、保存を求める声が高まりつつある。
市は平成13年から、約460㍍の立花線の上下線に3㍍ずつの車道と3・5㍍の歩道、1・5㍍の停車帯を整備するため、用地買収や住宅の解体・新築を進めている。同20年に完成する予定だったが、財政難で開発が遅れており、市は完成予定時期を平成30年前後としている。対象の住宅77軒中37軒で用地買収が終了している。
一方で、立花線は江戸時代、内町大通りと呼ばれ、鳥居本から城下町、高宮を結ぶメインロード的な役割を果たし、朝鮮通信使の一行も通ったとされる。いまも歴史的に価値のある蔵や家屋などが10軒以上残っており、以前から大学教授や市民らから保存を求める声があがっていた。
市議会でも、立花線の道路拡幅工事に伴い、歴史的建造物が消滅する可能性についての質問が出ており、市は「文化財としての価値があることなど一定の基準を満たし、所有者の了承が得られる建物については、文化財指定・登録ができるようにしたい」と答弁している。
今後は、立花線に残る歴史的建造物の保存に向け、曳家による移動などの方策を立案する必要があり、市の対応が注目される。
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