昭和37年から同58年まで、彦根東高野球部の監督や顧問を務めた杉野直(すなお)さん(69)。当時の皇太子殿下(現・天皇陛下)に似ていたことから、「皇太子さん」の愛称で、いまも卒業生や野球部OBとの付き合いがある。
―もともとは東高出身ではないとのことですが
◇私は山口県出身で、昭和37年に新任の英語教員として東高に赴任してきました。そしてその年に部長になり、以降、野球部との付き合いが始まりました。
―当時の様子を聞かせてください
◇昭和37年は新校舎(現校舎)が以前のグラウンドに建設されたため、練習の場は現在の彦根城博物館のある広場でした。しかし、同じようにグラウンドの確保に苦しんでいた近江高校と交互に利用していため、満足した練習はできませんでした。この状況は校内にグラウンドが整備される1年間ほど続いたと思います。
―監督や部長を務められた22年間で強かった時期は
◇昭和40年の秋の大会で準優勝し、近畿大会でもベスト4に進出しました。しかし、1回しか戦っていなかったためセンバツ出場は果たせませんでした。翌41年の夏の大会でも準優勝し、気運の高まりに伴ってその年の10月に野球部の後援会が結成されました。
―平成17年には日本高野連から「イヤー オブ ザ コーチ」を受章されたとのことですが
◇これは私の功績ではなく、これまでの野球部員の代表として頂いた賞だと思います。(現在の監督の)今井義尚君や(部長の)江竜康成君も私の教え子でした。監督や部長をしていたお陰で、人間関係も密になりましたし、豊かな今があるように思います。野球部さまさまで、野球への感謝の気持ちでいっぱいです。
―現在の部員へ激励の言葉をお願いします
◇しっかりと練習をして、練習をしたんだという気持ちを持てば、バタバタしないしっかりとした野球ができると思います。
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