2015年3月30日月曜日

井伊家当主具足と彦留神社本殿が滋賀県有形文化財に

 滋賀県教委は24日、県内6件を新たに県指定有形文化財に指定すると発表した。6件のうち、彦犬地区では、彦根藩井伊家伝来具足25領と彦富町の彦留神社本殿が入った。
 彦根城博物館には、江戸時代における井伊家当主の初代から十四代までのうち、五代・直通(みち)=岡崎市美術博物館蔵=と十四代・直憲=滋賀県護国神社蔵=を除く当主の具足18領と、当主の子息の具足7領が所蔵されている。いずれも朱色で統一された具足は「井伊の赤備え」として知られ、泰平の世になってからもその形式が踏襲された。
 戦国期から江戸時代後期までの歴代当主らが着用した具足がまとまって残っているのは、仙台藩の伊達家や福岡藩の黒田家しかなく、また井伊家伝来の古文書の内容を裏付ける品として「我が国の武具甲冑の歴史上、貴重だ」としている。休館中の彦根城博物館では再開する6月1日から7月7日まで、井伊家当主の具足10~12領を展示する。
 彦留神社の本殿は棟札から明和3年(1766)に建立。祭神を安置する身舎(しんしゃ)の前面に、神職が神事を行うための前室(ぜんしつ)が設けられた三間社流造(さんけんしゃながれつくり)と呼ばれる形式。鎌倉・室町時代以降に多くが建てられ、滋賀県内の神社本殿の特徴になっているが、江戸時代以降、一部の本殿では身舎の正面中央の柱2本を除き、身舎の半分と前室を一体化させた形式になる。また部分的に取り付けられていた彫刻の装飾が広範囲になり、軒を支える箇所も複雑化し、建物を華やかに見せるようになる。
 滋賀県でも江戸時代の18世紀ごろから建物の形式が変化し、彦留神社の本殿は内外部ともにその変遷期の特徴が出ており、「学術的、意匠的にも優れ、かつ良材を用いて高い技法で建築された本殿として価値が高い」という。

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