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2010年4月21日水曜日

市民講座・歴史手習塾、大石学教授=徳川吉宗時代と現代の「官僚支配システム」の同一性を指摘

 「新しい江戸イメージ!」をテーマにした市民講座・歴史手習塾の2回目が16日にひこね市文化プラザで開かれ、NHK大河ドラマ「龍馬伝」や「篤姫」などの時代考証を担当した東京学芸大学の大石学教授が「江戸にもあった政権交代」を題に講演。「現代の日本の官僚支配の統治システムは江戸時代に構築された」と解説した。

 大石教授は、米の値段が下がるなど社会不安が増大し政治も停滞していた江戸時代中期に、八代将軍に就任した吉宗の享保改革を紹介。財政再建や官僚機構・法制度の整備などを進め、「『大きな政府』によって国民生活を維持させ、日本社会の均質化を図った」と説明した。
 一方で、吉宗の政策に反対した尾張藩七代目・宗春が、緊縮財政や国による統制を批判し、名古屋城下への遊郭や芝居小屋の整備、ほかの地域からの資本進出、規制緩和を進めた政策を紹介。「身の丈にあった社会の安定化策を進める吉宗と、更なる経済成長を求める宗春の政策の対立は現代にも通じる」と話した。
 また吉宗の怒りを買った宗春が、遊郭や芝居小屋を廃止されるなど包囲網を強められて失脚した歴史を紹介。それ以降は「藩主の専制を抑えるため、幕府権力(中央集権)が強化され、法と官僚による支配を強めた」と解説。その官僚による統治システムは現代まで続いているとし、「政権交代で民主党政権になり、表面的には事業仕分けで政治主導を見せているが、最近はどうも(官僚と)仲良くしだした」と述べ、会場の笑いを誘った。
次は「江戸の教育力」
 「新しい江戸イメージ!」をテーマにした市民講座・歴史手習塾(第1弾)の3回目が23日午後6時半~ひこね市文化プラザメッセホールで開かれる。大石教授が「江戸の教育力」をテーマに講義する。紅茶と菓子付き。受講料1200円(3講座は3000円)。
 歴史手習塾第2弾「戦国彦根の城郭講座」、第3弾「NHK大河ドラマから見た歴史」の受講生も随時募集。問い合わせは文化プラザ℡0749(27)5200へ。

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