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2011年3月20日日曜日

「分かち合い」の心を―被災地への方々へ―

 天皇陛下は16日、東日本大震災に関する国民向けのお言葉を述べられた。体調がお悪い中でのお言葉に、感動した被災者を初めとする国民も多かったのでないか。
 陛下のお言葉で、特に感銘を受け、共感させていただいたのが「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆がさまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います」という箇所である。
 被災地の方々へ、食品や生活用品など支援物資を届けたいし、電力やガソリンも節約する分を提供したい―。秩序と礼節ある日本国民なら、誰しもが同じ思いであろうが、現地の物流や配給体制が整備されておらず、また西日本と東日本では電力の周波数が異なるため、それらの供給は限られている。
 今、我々ができることは募金などのほか、陛下が述べられた通り、被災地の方々と少しでも分かち合おうとする気持ちを抱くことである。その気持ちを表す手段が▽節電をする▽ガソリンの使用を控える▽買いだめをやめる―ことではないか。陛下も自主的に毎日2時間、節電されているという。
 被災地の方々が苦しんでおられることを共感し、少しでも行動に移すことが「分かち合い」であろう。
 また、我々日本人(他国の国民もそうかもしれないが)はマスコミの報道が少なくなると、被災地への思いも薄弱になる傾向があるが、陛下の「被災者のこれからの苦難の日々を(中略)分かち合っていく」というお言葉の通り、分かち合いの気持ちを継続して抱くことも求められる。
 物流体制が整えば必要な物資を届ける、受け入れ状況ができればボランティアとして参加する―、被災地が求めることには出来る限り応じ続けることが、今後、必要となろう。
 本紙16日付けの小生のコラムに対しては、多くの読者の方から「同意見だ」とする声をいただいたが、読者の方が特に共感したという言葉が「偽善でも良いではないか」であった。
 偽善者といえば聞こえは悪いが、小生は、人間は大なり小なり偽善者だと思っている。しかし、偽善は決して悪ではないとも考えている。ボランティアでも何でもそうだが、偽善を恐れているようでは何も事は進まない。
 被災地の方々へ分かち合いの心を抱き、それを継続し、行動に移すことが、同じ日本人としての務めであり、使命であると確信している。         【山田貴之】

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