良さんによると、市内には多い時で20軒ほどあった町中の銭湯も年々減っていき、市史によると、平成13年の調査時では市内で5軒となった。現在は山の湯のみになっている。
山の湯は、のれんをくぐると、左が女風呂、右が男風呂になっており、入り口を入ると中央に番台があり、良さんが長年座っている。脱衣場から浴場に入ると、少し熱い湯、常温、かけ湯用、薬湯の浴槽があり、特に薬湯は彦根城の元御殿医に教えられた成分の配合だという。浴場の様子は彦根出身の画家・上田道三の絵「明治の風呂屋」にも描かれており、現在も明治期と変わりない。また店舗敷地内の裏手には外堀の土塁跡が残っている。
常連客は80人ほどで、その9割が高齢者。良さんは「今のお客さんを大事にしながら、一人でも多くのお客さんが来てくれたらうれしい」と語り、息子は「年々、燃料代が上がる一方で、お客さんの数は減っているが、このレトロさを生かして、幅広い年齢層の方に利用してもらえるようにしたい」と話していた。
営業は午後3時半~午後9時15分。木・日曜休み。入浴料は12歳以上430円、6歳~11歳150円、5歳以下100円。問い合わせは山の湯☎(22)6020。(山田貴之)
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