彦根城や芹川沿いなど描く
蔚さんは2016年夏、滋賀大学に留学していた元教え子に会いに初めて彦根を訪れた。以降も彦根を訪問するたびに市内の町並みを描き、昨年11月末には彦根市民会館で作品展を開催。彦根城の風景や旧城下町の街並み、芹川の堤防沿いなど市内を描いた作品と、中国から持参した作品を展示し、市内外の多くの来館者が観覧した。
彦根の印象について蔚さんは、「創作活動をしていると市民や観光客の皆さんが声をかけてくれることがうれしい」と笑顔を見せながら「街と自然が両方ある風景と街並みが好き。人間味もある。自然や人間味のある街並みは中国のチベットのようだ」と述べた。
今年も来日予定「声かけて」
彦根では彦根城や玄宮園のほか、琵琶湖や芹川、夢京橋キャッスルロード、滋賀大周辺などで創作活動をした。蔚さんは「彦根はお城を中心に文化があり、画家をはじめとした芸術家にとって文化のある場所は心地がいい」と説明。今年以降も彦根を訪問する意向を示したうえで「米原や長浜の風景も描いていきたい」と意気込みを語った。
髪型が特徴的だが、蔚さんは「アインシュタインやヴェートーベンみたいでしょ」と笑みを浮かべながら「存在感を示すためだ」と解説。日本語はほとんど話せないが、「漢字で交流できるし、街中で私を見かけた時は是非とも気軽に声をかけてほしい。創作中でも構いません」と話していた。
彦根市日中友好協会事務局長の北村忠雄さん(62)=長曽根町=は「蔚さんは中国では実力派の高名な画家。本当に彦根が好きな方で2020年以降も来てくれると思います」と語っていた。
【蔚国銀】中国で著名な美術大学の西安美術学院油絵科などで油絵を学んだ後、中国人民解放軍芸術学院や中央美術学院で洋画の技法を研究。中国各地の風景や民族衣装を着たチベット人などを描き、中国美術館や首都博物館など中国国内64カ所で作品を展示してきた。中華人民共和国成立60周年全軍美術展優秀賞、建軍八十周年全国美術展第三等賞などを受賞している。中国美術家協会会員、同創作センター委員を務める。
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