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2009年9月29日火曜日

滋賀夕刊新聞社創立50周年式典 知事や議員ら200人来場

 「しが彦根新聞」の姉妹紙「滋賀夕刊」を発行している滋賀夕刊新聞社は26日、創立50周年記念式典を長浜市内で開き、嘉田由紀子知事や田島一成環境副大臣、湖東・湖北の首長、県議、市議、商工関係者ら約200人が出席した。
 同社は、現在の押谷盛利社長が昭和34年(1959年)に長浜市内に設立し、8月13日に「滋賀夕刊」を創刊した。
 式典で押谷社長は「読者やスポンサー、役所、企業の皆さまからの支援に対して、厚くお礼申し上げます」と感謝の意を示したうえで「(創刊時の)昭和34年は日本の経済復興の入り口で、この50年は激動の中を泳いできた」「新聞とは社会の木鐸であり、社会に向けてのリーダシップを示すという使命感に立って言論を展開するべきとの思いで続けてきた」と述べた。
 また押谷社長はあいさつの最後に「後継者を育てたいという思いから、50年を機に社長の座を譲りたい」とし、押谷洋司編集長を10月1日付けで新社長にする人事を発表した。
 続いて登壇した押谷編集長は「社長就任後は社員一同、全身全霊で新聞発行をしていきたい。皆さまには今後とも温かいご支援を頂きたい」とあいさつ。
 嘉田知事は「滋賀夕刊は湖東・湖北の話題をきめ細かく紹介しており、私も毎日読んでいる。隠れファンの一人」「これからも地域に根ざした話題と、正義感あふれる新聞作りを期待している」と語った。
 田島副大臣は「50年間のご労苦に敬意を表したい。現在では湖東、湖北になくてはならない地方紙になっており、今後とも更に発展されることを心よりお祈りします」と話した。
「自分を見つめる時間を」
延暦寺大阿闍梨の藤波源信さん
 滋賀夕刊新聞社創立50周年記念式典では、比叡山延暦寺大阿闍梨(だいあじゃり)の藤波源信さんが「人生、すべて修行中」と題して講演。千日回峰行(かいほうぎょう)でのエピソードや人生観を話した。
 藤波さんは、平成15年に戦後12人目となる千日回峰行の満行を達成。講演では、7年間にも及ぶ回峰行では「生命を支える水や岩、木をお参りした」「ただ歩くのではなく、人間とは何か、自然とは何かを常に考えていた」と解説。700日を終えた後に断食、断水、不眠、不臥を9日間続けた「堂入り」については、「寝ずに行こうとしても自然に寝てしまうため、特に不眠が難しかった」と述べた。
 また参拝者との会話の感想から「比叡山での7年間の修行よりも、結婚や子育て、仕事などで人生を全うすることが苦行のように思う」「皆さんにはその修行の中で、自分を見つめる時間をつくってほしい」とアドバイス。仏教用語の「止観」という言葉を使いながら「歩むばかりでなく、立ち止まって反省の時間をつくった後、次の段階に進んで頂きたい」と語った。
 【阿闍梨】700日の行と堂入りを終えると、阿闍梨と呼ばれる位が、千日回峰行を終えると最高位の大阿闍梨が与えられる。なお阿闍梨は、サンスクリット語で「軌範」を意味する。
 【千日回峰行】比叡山中の谷から谷を1000日かけて、歩き続ける。その距離は地球1周にあたる約4万㌔。1日約30㌔を最初3年は年間100日間歩き、4年目と5年目は200日間。700日を終えた後の「堂入り」では、9日間、断食、断水、不眠、不臥で不動明王の真言を繰り返す。堂入り後は、回峰行を6年目は100日間、7年目は200日間行い、満行となる。

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