彦根市旭町の旧酒造店「中村商家保存館」(国指定登録文化財)には、江戸末期に建てられた文庫蔵と酒蔵、明治44年建設の主屋が残っている。
中村家は、本家(現・京町1)から分かれた分家の初代が町屋街(旧下瓦焼町)に移り住み、寛永11年(1634)ごろに酒造店を始めた。しかし、江戸末期から明治初期にかけて酒造業から酒販売店に変更。昭和25年まで商売を続けた。現在、館長の中村武三さん(84)で十二代目。
建物全体は間口約25㍍、奥行き約28㍍。主屋は木造2階建て建築面積216平方㍍。表側に店と座敷の部屋があり、その南側には土間がある。2階は舟底天井で従業員の部屋になっていた。主屋の裏側には台所、納戸、かまど、風呂場などを設けている。建物は明治42年(1909)8月の地震で壊れ、翌年から大改修された。
主屋座敷の北側に広がる内庭には江戸末期建設の土蔵造り2階建て建築面積28平方㍍の文庫蔵がある。主屋の背後には江戸末期建設で土蔵造り2階建て建築面積109平方㍍の酒蔵がある。酒造業を営んでいた時の蔵で、外部は改装されているが、内部は当時のまま。
平成9年6月に中村商家保存館が設立され、同11年に国の登録文化財に選定。先月19日には彦根市の「景観重要建造物」と「歴史的風致形成建造物」に指定された。
中村商家保存館の一般公開が今月16日から始まる。開館は6月15日までの火木土日曜と祝日。午後0時半~同4時。入館料は高校生以上200円、小中学生100円。10人以上の団体割引あり。問い合わせは同館0749(23)5297へ。
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