選挙戦で維新の会県総支部は自公の推薦を受けた小鑓氏を推薦。橋下徹代表も最終日に応援に駆けつけた。しかし出口調査では維新の会支持層の59%が三日月氏に入れ、小鑓氏は36%に止まった。59%という数値は無党派層が三日月氏に投票したのと同数でもある。
小生は、ここに三日月氏当選の最大の要因があると考える。一部の全国紙や地方紙は「集団的自衛権の行使」「原発政策」「自民党の国会議員や都議の失言」が影響したと論じているが、それらは微々たる要因であろう。
三日月氏は選挙戦で「草の根自治」という言葉を何度も用いた。一方で小鑓氏は「国の政策を県政に反映させる」考えを示した。つまり、今回の最大の争点は地方自治の推進か、中央集権的な地方運営か―だったということだ。
「中央集権体制からの打破」を党是に結成された維新の会の支持層の大半が三日月氏に流れた結果からもわかる通り、無党派層を含めた県民は「地方自治」を選択した。
小鑓氏の敗因は知名度不足もあるが、国の補助金を基に公共事業やインフラ整備を進めることで経済を潤し、その資金を教育や福祉事業に回すという、典型的な古い自民党スタイルにあった。県民を含め国民はそのようなスタイルに対し既に辟易としており、見透かしているとも言える。自民党は今後の選挙の反省材料にするべきだ。
さて、我が彦根市は投票率がまたもや県内市町で最低となった。今回の知事選で市選管は非常に尽力した。本紙もFM彦根との共催で湖上討論会を開催し、市選管と共に最下位脱出はもちろん、中間ぐらいまでにはなると期待していた。そんな中での最下位という結果に、市選管の関係者も「あほらし屋の鐘が鳴る」(馬鹿馬鹿しい意味)と感じたのではないか。
この原因は小生がこれまでに耳にたこができるほど指摘している通り、公に関心を示さない「殿様文化」の市民性にある。生ぬるいタコツボ状態にあるこの市民性を根幹から改革しない限り、投票率の低迷が続くのはもちろん、都市間競争に遅れることは明らかである。市民を目覚めさせるための政策の立案を再び求めたい。【山田貴之】
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