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2018年6月20日水曜日

彦根市消防団の人事巡りはしご登り存続危機?

 彦根市消防団の今年度の人事を巡り、役員から外された元副団長らが、11月3日のひこね城まつりパレードで、はしご登りの演技を披露しない意向を示している。
 13日の市議会一般質問で谷口典隆議員が市消防団の役員人事の問題を取り上げた。谷口議員や市の答弁によると、今年3月16日に内示された市消防団の人事異動で、副団長3人と分団長1人が再任されなかった。これに対し外された元副団長らは「断りもなく内示が出されたことに納得いかない」として、4月16日に市消防本部に説明の場を要求。22日に昨年度の正副分団長以上の幹部による説明会があった。しかし納得できない元副団長らは5月11日に大久保貴市長と面談し、団長の免責などを求める要望書を提出した。
 消防組織法には「消防団長は消防団の推薦に基づき、市町村長が任命し、団長以外の団員は市町村長の承認を得て団長が任命する」と明記。団長の推薦方法として、彦根市消防団では「副団長3人、各中隊の代表分団長3人、本部付き団長の計7人による推薦委員会で決める」と定めている。また市消防団規則では「団長、副団長らの任期は4年で、再任することを妨げない」と規定。今年度の人事については2月27日の推薦委員会で現団長が推薦された後、新体制の人事が発令された。
 市議会で谷口議員は市から市消防団へ指導するよう求めたが、市は「市または市消防本部が人事内容に踏み込むのは適切ではなく、大変難しい。解決の糸口がないか考えたい」と答えた。
 市議会を傍聴していた元副団長の1人は、彦根鳶保存会内のはしご乗り手の会の顧問を務めており、はしごを解体したほか、メンバー約20人が法被を市消防本部に返却したと明らかにした。滋賀彦根新聞の取材に「何の説明もなく、副団長を外されたのは納得できない。このままでははしご登りを演技することはできない。現団長の退任と昨年度の人事に戻すことを求めたい」と話しており、法的措置を辞さない構えも見せている。
 はしご登りの存続について、市消防本部の担当者は「現体制下の幹部の話し合いでははしご登りを継続する考えで、その方向で進むと期待している」と話している。
 彦根市消防団の今年度の役員人事から外された副団長らが、市長が任命した消防団長に円滑な組織運営を行うよう求める請願書を市議会に提出した。請願では「職を免じられる理由がないのに、消防団の役員、団員の地位を奪ったことは法的にも無効だ」と主張している。

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