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2011年10月29日土曜日

辻井いつ子さん 息子への教育は「ピアニストよりも感性磨くこと重視」、国際ソロプチミスト彦根主催

 盲目のピアニスト・辻井伸行さんを息子にもつ辻井いつ子さんが25日、「子どもの才能の見つけ方、伸ばし方」をテーマに文化プラザで講演し、褒めることや感性を磨くことの大切さをアドバイスした。
 辻井さんは息子が2歳3ヶ月のころには、おもちゃのピアノを弾くようになったが、音に敏感だったため嫌な音を聞くと泣き止まなかったとし「子育ては思っていた以上に大変で毎日がたたかいだった」と振り返った。
 5歳のころからは本格的にピアノの練習に打ち込み、小学1年の時にコンクールで優勝。「ピアノに夢中になっている姿は楽しそうで、学校の勉強をやりなさいとは言えなかった」「子どもが何かに打ち込むことはすばらしいと思う」と話した。
 5年生のコンクールの時に、厳しい言動をするほかの子の母親を見て息子が「僕のお母さんはピアノを弾けなくてよかった」と話していたエピソードを紹介しながら「子どもは親に無条件にほめてもらいたいんだと思う」「褒めることは人間にとってやる気を起こさせる。学校の成績が悪くても、そこまでのプロセスで努力があれば、そこを褒めていた」と語った。
 ピアノのほかにも、息子がやりたいと言ったスキーや乗馬、登山などにも挑戦させたといい、「ピアニストよりも人間としての感性を磨き、心豊かに育ってくれることが大切」「リスクがあっても新しいことに挑戦する喜びは人間の感性を育てると思う」と述べた。
 20歳の時にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したことには、「子どもはすごい可能性を秘めている。親の固定観念で伸びるものも伸びなくなる」「子どもがうれしそうにしていることを続けさせたのは、可能性と才能を信じていたからだ」と解説した。
 講演会は国際ソロプチミスト彦根が主催し、約300人が来場した。

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