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2017年6月20日火曜日

滋賀県立大学などで日本語や日本文化を学んでいる米国の留学生が狂言を体験

 滋賀県立大学などで日本語や日本文化を学んでいる米国の留学生たちが14日、彦根城博物館の能舞台で狂言を体験した。
 米国国務省教育文化局では人材育成と外国語の教師作りを目的に、米国内から選抜した学生たちに世界14の言語を学ばせるCLSプログラムを実施。「日本語」には2015年度から18年度まで滋賀県立大学が選定され、今年度は応募者約500人から選ばれた24人が来日し6月5日から彦根市内に滞在している。
 留学生たちは滞在する約2カ月間のうちホームステイとアパートで1カ月間ずつ交代しながら過ごしており、日本語教育の専門家による週20時間ほどの日本語と日本文化の学習のほか、囲碁や折り紙などを体験。この日は彦根城を見学した後、多賀町教委の職員で狂言師の山本豪一(ひでかず)さんを招いて狂言を学んだ。
 山本さんから「能舞台に描かれている松の絵はめでたい意味がある」「足の裏を舞台から放さずにすり足で歩く」など、狂言の歴史や所作について聞いた後、留学生たちは実際に能舞台に上がり、山本さんの手本に続いて歩き方や笑い方、泣き方を体験。その後、事前に練習してきたせりふを用いて、狂言の一場面を一人ずつ実演していた。
 体験後、留学生からは「(狂言が始まった)約650年前からせりふは変わっていないのか」「新しい狂言はあるのか」などの質問があり、山本さんは「せりふや所作は変わっておらず、先代から引き継がれてきた。昔の演目は254曲あり、明治時代以降では約100曲ある」と答えた。
 大学院3年生のパオロ・メニュエーさん(29)は「彦根は自然豊かで美しい素敵なまち。能舞台は木の香りがし、不思議な雰囲気だった。狂言はユーチューブなどで見たが、実際に体験すると難しく、狂言師を尊敬したい」と話していた。
 留学生たちは今後、県立大で学びながら、陶芸や書道、茶道、江州音頭の踊りなども体験。7月28日に終了式がある。

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