中野教授は、GDP(国内総生産)と幸福度の関連性について、米国の経済学者のサイモン・クズネッツの著書を取り上げながら、「幸福のレベルはGDPから推し計ることはできない。GDPは経済の幸せを計る指標ではなく、行政や日経記者は(GDPの数値が)上がることが良いことだと勘違いしている」と指摘。
GDPを算出する課程で「家事労働」や「ボランティア活動」が入っていない上、騒音防止や犯罪予防などの「防御的支出」と、森林伐採や二酸化炭素の排出など厚生を悪化させる活動がプラスとして計算されている点を問題視。「子ども(発展途上国)は体重(GDPの数値)が増えても良いが、大人(先進国)は気にする必要はない」と結論づけた。
彦根をより幸福度の高いまちにする手法としては、福井県内の原発が琵琶湖や農作物など、これまで県内市町で進められてきたことをすべてダメにしてしまう可能性があると、脱原発の必要性を強調した上で、産科医不足など病院対策、図書館や美術館の貧弱さの改善による教育・文化行政の充実を求めた。
中野教授の講話後には、来場した約30人が幸福度を高めるための方法を話し合った。市民らからは、行政の市民団体へのサポート不足、団体同士の横のつながりの不十分さなどの意見があがっていた。
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