彦根市は25日、彦根藩の藩校だった「金亀会館」(中央町)=市指定文化財=が市に寄付されたと発表した。今後、平成23年度から保存修理工事が行われ、完成後の同26年度以降は地域の学習の場など「現代の藩校」として開放される。
彦根藩では寛政11年(1799)に十一代藩主・直中が、現在の彦根西中運動場に藩校「稽古館」を開講。天保元年(1830)には、十二代・直亮が「弘道館」に改名。敷地面積約6000平方㍍に、講堂のほか、剣術、槍術、弓術、馬術を学ぶ施設が建っていた。明治4年(1871)の廃藩置県により廃止されるまで藩校として存続し、十三代・直弼の開国論に影響を与えた中川禄郎や直弼の腹心・長野義言、明治の三筆と呼ばれた書家・日下部鳴鶴なども輩出している。
明治維新後は、西本願寺系の子弟教育の中学校(現・龍谷大学附属平安高校)となったが、学校は京都に移転。大正12年に講堂が現地へ移築され、以降、「金亀教堂」(一般的には金亀会館)と呼ばれ、宗教法人・本願寺金亀会館が所有してきた。木造瓦葺きの平屋建てで床面積は約261平方㍍。切妻屋根の玄関を入ると、「庇」に囲まれた「本堂」があり、奥は1段高くなっており、「仏間」として利用されていた。平成19年1月25日に市指定文化財に。
老朽化が進んでいたが、今年1月に「歴史まちづくり法」に基づく整備補助の認定を受けたため、市は金亀会館の保存修理を行うことを決定。6月22日に市に寄付され、内部の整理が終了したため、今月初めに正式に引き渡された。
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