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2012年7月16日月曜日

教育委員会 改革論

 大津市内の中学校で生徒がいじめを苦に自殺したとされる問題で、市教委の隠ぺい体質が全国の批判の的になっているが、何もこの体質は大津だけに限らず、事なかれ主義の代表格である教育委員会という組織に蔓延っているといえ、抜本的な改革へ本腰を入れるべきである。
 教育委員会は教育分野の専門家で組織され、議会の承認を経て首長が委員を任命。各自治体の職員や現役教員による教委事務局と合わせ、教育行政を担っている。
 取材などで教委職員を見てきた小生の分析として、教育委員会は自治体の教育内容や学校の情報を一元的に管理できるといった利点がある一方で、独立性が高過ぎて聖域化された位置にあるため、情報の隠ぺい体質があり、教育内容に世情とのずれが生じ、学校の独自性の無さにも繋がっているようだ。
 今回の大津の事案が皮肉にも前記の悪しき体質を明らかにさせたが、更には、生徒が自殺した後のアンケート結果の重大な言葉を見落とすという社会常識が欠如した資質さえもあるようだ。
 これらはすべて、金太郎飴のような人間の創造を目指す文科省下の末端組織であるが故の必然的な結末であるといえ、このような時代錯誤の教育委員会を改革するのは政治の介入でしかない。
 大阪維新の会代表で橋下徹大阪市長は昨年11月の市長選マニフェストで、「硬直化した教育委員会任せの学校教育を抜本的に見直す」と明記し、▽保護者や住民参加による学校運営委員会で地域の声を教育に反映させる▽市長が教育員会と協議をして目標を設定する▽校長、副校長を内外公募する▽学校運営について校長に予算要求権を与える―など斬新な政策を掲げ、現に取り組んでいる。
 つまり橋下さんの言わんとすることは、生ぬるい公務員的な事なかれではなく、粒粒辛苦を重ねてきた民間人による発想を教育に取り入れるべきだ―ということである。小生も大いに支持したい。
 さて、いじめについてだが、人間社会には子どもにしろ、大人にしろ、いじめはあり、根絶は不可能だといえよう。大人の世界はさておき、子どもの教育現場では、いかにいじめを早期に見つけ、暴行に至らないようにするかが重要である。
 これはより身近にいる現場の教師の役割であるが、大津の事案ではアンケート調査で「先生は注意をしたが、最後には笑っていた」、「見て見ぬふりをしていた」という生徒のコメントも公表されている。次号では、教師がいじめの加害者といかに向き合えば良いのかを考えたい。【山田貴之】

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